私は今、米アドビがオーストラリア・ケアンズで開いたアジアパシフィックのコンサルティングキックオフ最終日を終え、3日間の会合の余韻を感じながらこの文章を書いています。

 今回は、改革対象部署とのコミュニケーションというチェンジマネジメントの最難関であり、非常に時間をかけるべきステップについて解説します。情報量が多いので、今回と次回の2回に分けて書き進めます。

 アドビは、世界を大きく4地域に分けてビジネスを管理しています。カナダ・北米・南米をまとめる「AMERICAS(アメリカズ)」、欧州と中東、アフリカをまとめる「EMEA(エイミア)」、韓国・中国・シンガポールを中心に東南アジアとオーストラリア・ニュージーランド・インドをまとめる「APAC(エイパック)」、そして最後が独立地域として位置付けられる「日本」です。それほどアドビにとって日本は、ビジネス戦略で重要な地域になっています。

 日本のプロフェッショナルサービス全体を統括している私は、日本代表として毎年APACのコンサルティングキックオフに参加しています。どの地域のキックオフもリーダーからの言葉やコンサルタントのプレゼンなどで盛り上がります。中でもクライアントの言葉を120%の集中力で聞くセッションは、参加者全員が「ONE」になれる瞬間であると感じています。

 特にAPACには20以上の国や地域に40以上の言語があります(多言語が存在するインドを含むため国の数より多い)。それだけの組織を一つにしようとする取り組みは、今回のテーマである「リーダー・フォロワーの阻害」という最大のチェンジモンスターへの挑戦に通じるところがあります。

「君には余裕が必要だよ」

 「Hey, Takumi. How's CSM going on?(CSMは上手くいってる?)」――。最終日のディナーの席で、旧知のシニアコンサルタント(「Y」と呼びます)に声をかけられました。

 Yとは2014年に東京で開催したコンサルティングキックオフからの付き合いです。私がチェンジマネジメントに取り組んでいることを知っており、チェンジマネジメントの先にある「CSM(Customer Success Management)」をキーワードに質問してきました。

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