IoTを使った「IoTシステム」は、これまでの実証実験の段階から、ビジネスへの展開に向けた実用的な段階に入った。本特集では、IoTシステムを構築するための基礎を解説する。

 IoTシステムをビジネスの現場に導入する際、机上の検討だけでは見えてこないポイントがある。特に重要な「IoTプラットフォーム」と「無線通信」に焦点を当て、失敗しないためのポイントを見ていこう。

 IoTシステムの実現には、デバイスの管理やシステムとの接続、データの蓄積、分析といった様々な処理を行う必要がある。ここで重要な役割を果たすのがIoTプラットフォームである。

 IoTシステムの導入に当たって、IoTプラットフォームを使わずに、個別要件に沿ってフルスクラッチでシステムを開発する方法もある。ただこの方法では、システム要件が変更されるたびに、大掛かりな改修が必要となる。

 一方、クラウドサービスとして提供されるIoTプラットフォームを利用すれば、要件の変更に柔軟に対応できる。IoTプラットフォームは、一般的にIoTシステムで必要とされる機能群や用途に特化した機能を備えている。また、ビジネスの規模や用途に応じて機能追加やアプリケーション連携を可能とする拡張性を持っている。こうした特徴により、柔軟なシステム構築が可能である。

3タイプのIoTプラットフォーム

 2015年以降、クラウドベンダー各社がIoTプラットフォームを提供している。IoTプラットフォームは大きく「インテグレーションタイプ」「マネージドタイプ」「スペシャライズドタイプ」の三つに分類できる。それぞれの特徴を順に見ていこう。

IoTプラットフォームのタイプと特徴
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 インテグレーションタイプは、マイクロサービスの組み合わせで構成されるサービスで、幅広い業界・用途で活用できる。具体例として米マイクロソフトの「Azure IoT ソリューション アクセラレータ」が挙げられる。

 このタイプのメリットは、IoTシステムの用途に合わせて各種機能を組み合わせられる点だ。必要な機能と不要な機能を明確にしたうえでシステムを構築することで、スモールスタートから本格展開まで、各フェーズに対応できる。

 一方で、各種機能を組み合わせてシステムを構築するので、一定のプログラミングスキルや各種機能群を最適に組み合わせられるアーキテクトの存在が必要になる。スキルやアーキテクトを自社で持ち合わせていない場合は、システム構築をインテグレーターに依頼する必要がある。

 マネージドタイプは、一定の機能群が標準搭載されたサービスだ。このタイプも幅広い業界・用途で利用できる。例えば、NTTコミュニケーションズの「Things Cloud」がこれに当たる。メリットは、IoTシステムに必要な機能があらかじめ標準搭載されているため、早期に導入できる点である。

 スペシャライズドタイプは、特定の業界・用途に適したサービス。ファナックの「FIELD system」が具体例として挙げられる。

 このメリットは、機能群が業界・用途に最適化されているため、個別にカスタマイズしなくても済む点だ。機能やUIにも業界特有のノウハウが詰め込まれている。一方で、異なる産業分野への適用は想定されていないため、多角的にビジネスを展開している企業がIoTシステムを導入する場合には注意が必要だ。

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