これまで4話にわたって、私が関わった事業を紹介してきた。これらを眺めて改めて感じるのは、「イノベーションには世界観のデザインが大切」ということだ。

 世界観をデザインするとは、事業の新たな「軸」を見いだすことにほかならない。そのために必要な取り組みとは、どのようなものだろうか。今回は、世界観をデザインするためのポイントをまとめてみた。

世界観をデザインするのに大切な二つのこと

 イノベーションについて話す機会が増えたこともあり、私は最近「世界観をどうやって描けばよいか」とか、「事業の軸をどうやって導けばよいのか」とよく聞かれるようになった。説得力のある回答を用意できているわけではないが、いろいろな業種を経験し多くの人の意見を聞いた中で、見えてきたことが二つある。

 一つは「多くの事象を観察する」こと。そのためにはまず、ほかの業界で何が起こっているかを知る必要がある。社内や同じ業界の人間といくら話し合っても、視点が同じだから「文殊の知恵」にも限界がある。他業界の人からこそ、新しいビジネスのヒントを獲得できる。

 ヘルスケア事業を手がけていたときは、勤務時間外の「夜の会合」でエステや温泉、スポーツなど他の業界の人たちと話すことを心がけた。この活動により「温泉とヘルスケア」「エステとヘルスケア」といった連携の中に新たなトレンドがあることを知った。

 生産会社を任されたときには、世界中のEMS(生産受託)事業を調べまくり、ガートナー・ジャパンのトップにまで意見を聞きに行った。こうした社外の人と話している中で刺激を得て、新しいイノベーションのヒントを生み出せた。

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