ビジネスイノベーションを起こすための第一歩は、新たな「事業の軸」を明確化して、世界観をデザインすることだ。事業が順調に推移しているときこそ、次なる世界観をデザインする絶好の機会である。従来と異なる新たな軸をベースに世界観を定められれば、その軸に連なるビジネスやアイデアが見えてくる。オムロンは1967年に世界初の「自動改札機を中心とする無人駅システム」を開発したときに、自動改札機を「軸」とする駅務事業をどのようにデザインしたのか。その後の軌跡と併せて世界観を作ることの重要性を解説する。

新たな軸に基づく世界観をデザインする

 どのようなビジネスであっても、考え方のベースになる「事業の軸」を定めることは重要だ。新たな軸を定められれば、ここを起点に「世界観をデザインする」ことが可能になる。

 世の中には様々なビジネスのアイデアが「点在」している。そのいくつかは従来の価値に従った「事業の軸」の延長線上にあり、既存のビジネスモデルの延長線上で考えられる。(下図の従来軸)。

図1●新たな世界観のデザインには「新規軸」が必要
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 ところが従来軸に乗らないビジネスアイデアも次々に現れている。これら新しい時代のアイデアをつなげていくには、これまでにない新規軸を見つけなくてはならない。従来軸からは外れたところにあるアイデア(図では赤い「●」)も、新しい軸を見つけられればその軸上に配置できる。

 そしてこの新しい軸とアイデアが定まればビジネスモデルキャンパスなどを使用してビジネス構造を整理していけるようになる。今日の銀行は「多くの預金を集めて、多くに貸し出し、利子でもうける」という従来軸だけでは立ち行かなくなっており、新たな軸を模索している。

 メーカーも、かつて「QCD(品質、コスト、納期)」を軸として、いいものを作れば売れてきたが、これだけでは戦えなくなってくる。その代表が「100年に一度」の大変革に見舞われている自動車業界だ。

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