ノートPCやスマートフォンのネット接続手段として不可欠な無線LAN。高速化や新しい通信規格やセキュリティ規格の登場など、今も進化を続けている。快適かつ安心して無線LANを使いこなすための製品知識や利用法を解説する。

 今回は、無線LANが遅くなったり接続できなくなったりするケースを減らす方法を紹介しよう。

端末とルーターの一方が古ければ遅い可能性がある

 無線LANの通信速度が遅く感じられる原因は、大きく製品選択によるものと使い方によるものに分けられる。

 製品選択が原因になっている典型例は、想定している通信速度が出ない機器を使っているケースだ。この数年間に発売されたノートパソコンのほとんどが、無線LANアダプターを搭載している。そのため、無線LANアダプターの仕様を気にせず利用している人もいるだろう。

 無線LANは、年月の経過とともに通信速度が上がってきている。無線LANは過去の規格との互換性が保たれており、機器同士の相性により接続できない問題を除けば、最新の無線LANルーターであってもほぼ全ての機器が接続できる。つまり古い機器を使う場合、問題なく接続できるものの通信がとても遅く感じる場合がある。

 無線LANで接続したときの最大速度は、無線LANルーターとパソコンの無線LANアダプターの性能によって決まる。両者のうち遅い方に引っ張られる格好になる。例えば、IEEE 802.11ac対応で最高速度が866Mビット/秒の最新無線LANルーターに、IEEE 802.11n対応で最大速度が300Mビット/秒の古いパソコンを接続したときの最大速度は300Mビット/秒となる。その逆も同様で、古い規格の無線LANルーターに最新パソコンを接続しても、無線LANルーターが対応している以上の通信速度は出ない。

 IEEE 802.11nとIEEE 802.11acは、複数の空間ストリーム(アンテナ)を束ねて高速化を図るMIMOを採用している。MIMOを使った通信に関しても、少ない方の空間ストリームに合わせる形で最高速度が決まる。例えばIEEE 802.11acの無線LANルーターは最大2~4個の空間ストリームを利用でき、通信速度は最大866M~1733Mビット/秒となるが、多くのパソコンが利用できる空間ストリームは最大でも2個だ。そのため、最高速度は866Mビット/秒となる。

パソコン側はアダプター追加で高速化できるケースも

 パソコンはIEEE 802.11acに対応しているが無線LANルーターがそれより古い規格にしか対応していない場合、無線LANルーターをIEEE 802.11ac対応機種に買い換えることを検討しよう。逆に無線LANルーターがIEEE 802.11acに対応している一方でパソコンが古い規格にしか対応していない場合は、パソコンに無線LANアダプターを追加することを検討するとよい。

 内蔵の無線LANアダプターの交換は難しいため、USBタイプの無線LANアダプターを追加する方法が一般的だ。無線LAN機器メーカーの多くはIEEE 802.11acに対応したUSB接続の無線LANアダプターを発売しており、2000円程度から購入できる。

 この手の製品は大きく、USB 3.0に対応し通信速度が最大866Mビット/秒のものと、USB 2.0に対応し通信速度が最大433Mビット/秒のものがある。USB 3.0対応の無線LANアダプターは、パソコンのUSB 3.0ポートにつなぐことが重要だ。USB 2.0ポートに挿しても利用できるが、USB 2.0は規格上の最大通信速度が480Mビット/秒であるため十分な速度が出ないためだ。

USBタイプの無線LANアダプターを用意すれば、古いパソコンの無線LAN機能をアップグレードできる。写真はIEEE 802.11ac対応で接続がUSB3.0、通信速度が最大866Mビット/秒の「WI-U3-866DS」
(出所:バッファロー)
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