NECは2018年12月27日、デンマークのIT大手KMDの持ち株会社を約1360億円で買収するにあたり説明会を開催した。同社の新野隆社長兼CEO(最高経営責任者)は「セーフティ事業をグローバルの成長エンジンに位置付ける」と意欲を示した。同社は2020年度までに海外におけるセーフティ事業の売上高を2000億円とする考えで、KMDの買収により取り組みを加速する。

NECの新野隆社長兼CEO(最高経営責任者)
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 買収額の約1360億円はNECにとって過去最高となる。これまでの最高額は2018年1月に買収した英ノースゲート・パブリック・サービシズ(NPS)の約713億円だった。

 KMDはデンマーク最大のIT企業である。2017年12月期の売上高は約958億円(約56億デンマーク・クローネ)。売上高の約7割を公共向けが占め、ITサービスを主に「リカーリング型」で提供するのが特徴だ。デンマークは世界電子政府ランキングで首位を走る。「デンマークのデジタル化を支える企業」だと、NECの山品正勝執行役員常務は話す。

NECの山品正勝執行役員常務
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 ただ、KMDの業績を見ると、2016年12月期と2017年12月期の連結営業利益はマイナスだった。マイナスの原因は構造改革費用や過去の訴訟に関する引き当て金など。買収額の約1360億円にはKMD持ち株会社の借入金約700億円が含まれる。

 KMDは2019年12月期からは黒字となる見通しで、利益率は5~10%を見込む。「構造改革が終わるタイミングでの買収を判断した。NPSの買収と併せ、海外セーフティ事業における売上高2000億円が見えてきた」(山品常務)。

■変更履歴
KMDの業績について事実誤認がありました。関連する記述のあった下から2段落目を修正しました。お詫びして訂正します。 [2018/12/28 10:25]