「B2Bマーケティングを全社員700人のDNAに組み込む」――。2017年7月に通信事業者アルテリア・ネットワークスのCEO(最高経営責任者)に就任した川上潤は、就任2カ月後にこう発言しました。今回は、この一言で始まったアルテリアの社内変革プロジェクトの決定から1カ月の全社ミーティングまでに、事務局の役割を担った筆者が実践したことをたどります。

 2017年9月にプロジェクトが静かに始まって、その後すぐに大きな動きがあったか、といいますと実はそうではありません。そこから社員の目に「B2Bマーケティングを徹底する インフラ会社になる」という冒頭の文言が映るのは、そこから1カ月後の全社キックオフのときでした。

「アルテリアはオンリーワンの会社になる。他社と比較して優位性を論じるのではなく、圧倒的な顧客志向とスピード、B2Bマーケティングによって実現する」

 2017年10月全社キックオフの日、全社員の前でこう川上が宣言をしたのです。

 その1カ月前に当たる2017年9月の会議後に川上から受けた指示は、プロジェクト全体のスコープとタイムラインを決定することでした。これらをひねり出すためには、私の中で自ら経験したことを全てひっくり返すような、思考のジャンプが必要でした。それをクリアしないことには、プロジェクトのスコープの整理とタイムラインの策定ができず、全社員にどのように伝えるかを定められません。

 これまで私は、(できていること、できていないことに濃淡はあったにせよ)規定されたフレームの中で、マーケティングプロセスごとに必要な「コンポーネント」のコンサルティングや導入に携わってきました。

 新規参入のためのマーケットリサーチやリードナーチャリングプロセスの導入など、ある程度マーケティングのプロセスの概観がある中でのコンポーネントの導入経験だったのです。

 しかし今回のプロジェクトは全く未知の領域で、企業全体の文化を変革するというものです。もちろんコンポーネントの集合体としてのマーケティング活動全体となります。こうなると部分(コンポーネント)と全体どちらが大事か、という議論ではなくなります。B2Bマーケティングを全社DNAに組み込む活動は、部分の集合和として全体を最適化することとも全く異なります。

 この議論を少し違った角度から考えてみましょう。

 シリコンバレー型の経営スタイルを持ち、比較的マーケティング機能が充実していると思われる企業でも、2000年ごろからこの20年のうちにマーケティングのやり方やその方法論は変わってきています。

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