企業内外でデータ活用を支援する基盤を見直す機運が高まっている。IoT(インターネット・オブ・シングズ)の普及などで、企業が扱うデータ量が急増してきたのが一因。AI(人工知能)などデータの活用技術も進化する今、新しいデータ基盤が求められている。

 IoTやデジタル化の普及により、一般企業でもビッグデータを収集し、活用することが可能になってきた。同時にクラウドサービスの進化により、データ活用の基盤を構築するための製品やサービスの選択肢が急速に増えてきた。

 ビッグデータを収集・蓄積し、AIを使ったデータ分析を可能にする新しいデータ活用基盤は、「1度構築したら5年以上は使い続ける」といった従来型のデータウエアハウス(DWH)とは全く異なる発想で構築する必要がある。

 進化するクラウドサービスを活用し、自社に合ったデータ活用基盤の構築を追求する企業の1社が、牛の管理サービスを提供するファームノートだ。同社は、牛の管理にIoTやAIを活用している。牛のデータの活用・分析が同社のサービス中核だ。

 「より良い技術やサービスがあれば、どんどん採用していく」。ファームノートの阿部剛大氏は、データ活用基盤の構築方針についてこう話す。この方針の下、同社は牛の発情管理サービス「Farmnote Color」のデータ活用基盤の一部を、Amazon Web Services(AWS)からGoogle Cloud Platform(GCP)に移行した。

 Farmnote Colorは牛の首に付けた機器のセンサーデータを使って牛の動きや状態を解析し、発情のタイミングを通知する。牛を飼育する酪農家は、PCやスマートフォンを通じて牛の状態を把握する。これまで遠隔で把握できなかった牛の状態をひと目で見られるようになるのがメリットだ。

Farmnote Colorのデバイスの利用例
(画像提供:ファームノート)
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 Farmnote Colorでは牛に付けたセンサーのデータをBluetoothを使って、牛舎に設置したゲートウェイに送信する。データはゲートウェイからほぼリアルタイムでLTEや3G回線を通じて、データ活用基盤を設置したクラウドサービスに送られる。

 ここでデータを受けるのはAWSのストレージサービス「S3」だ。ファームノートは「より良いサービスを使う」方針の下、データ分析基盤の一部はGCPに変更したものの、AWSを利用したほうがよいと判断した部分についてはAWSのサービスを引き続き利用している。

 S3に蓄積したデータはGCPのメッセージングサービス「Cloud Pub/Sub」などを使って、GCPのサービスに転送している。GCPではデータの分散処理を支援するサービス「Cloud Dataflow」や、分散処理ツール「Hadoop」のマネージドサービスである「Cloud Dataproc」などを利用してデータ分析基盤を構築。独自開発した機械学習の仕組みなどを利用してデータを分析・加工し、最終的にはDWHサービスの「BigQuery」にデータを蓄積している。

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