企業内外でデータ活用を支援する基盤を見直す機運が高まっている。IoTの普及などで、企業が扱うデータ量が急増してきたのが一因。AIなどデータの活用技術も進化する今、新しいデータ基盤が求められている。

 月末になると営業担当者は営業成績を確認するために、支給されたiPadから1日数回、販売情報を確認する。ほぼリアルタイムで、自分の担当する店舗やチャネルの売り上げ、在庫情報が正確に分かるので、担当者はデータを見ながら、迅速に意思決定し行動に移せる。

 こんなシステムを構築したのがコーセーだ。コーセーのデータ活用基盤「KOMPAS」は、Amazon Web Services(AWS)のデータウエアハウス(DWH)サービス「Amazon Redshift」上で稼働している。会計や販売情報、営業支援など以前は6つの業務システムごとに構築していたDWHを集約し、販売や営業など、同社の経営に関する情報を一元的に見られるようにした。ユーザー数は約1200人だ。

 KOMPASはほぼリアルタイムで、業務システムのデータを格納している。エンドユーザーはBI(ビジネスインテリジェンス)ソフトなどを利用し、自分が見たいデータを、iPadなどから閲覧・分析できる。

 コーセーの小椋敦子 情報統括部長は、「クラウドでなければ実現できなかった」と話す。コーセーは全ての業務システムの明細データを、Redshiftにほぼリアルタイムで集約している。

 業務システムごとにDWHを構築していた以前は、出荷データは前日までのものしか見られない一方で、店舗での販売データは高い頻度で更新しているといった状況だった。双方のDWHが連携していないので、リアルタイムの在庫情報が見たい場合は、複数のDWHのデータを組み合わせる必要があった。従来型DWHの限界といえる。

 こうした課題を解決するためのシステムがKOMPASだ。全業務システムの明細データを格納することで、「今後高まる社内のデータ分析ニーズに応えることを目指した」(小椋部長)。コーセーがKOMPASを検討し始めた当初は、オンプレミス環境も選択肢に入っていた。しかし「データ量や分析の負荷に応じてサイジングできるクラウドがあったからこそ、KOMPASを実現できた」と小椋部長は話す。

IoTとデジタル化でデータが急増

 コーセーのように制約の多い旧来型DWHを脱却し、より高度なデータ活用に向けた基盤を構築する動きが盛り上がってきた。その背景は大きく3つある。

データ分析基盤を構築する際に押さえるべき要件の例
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