無駄な機能を備えたメタボなITシステムが、多くの企業の運用コストを押し上げている。メタボシステムを2度と作らないための方法を解説しよう。

 「既存システムの現行機能は全て継承したい」。基幹システムや業務システムの再構築プロジェクトではこんな要望がよく出る。

 この要望をそのまま受け入れてはいけない。長い間使われてきた既存システムには、ごく少数のユーザーの要望に応えて追加した機能や、不要になった機能が含まれているもの。改修を繰り返すうちに機能が増え、“メタボ”な状態になっている。

 それなのに、メタボな状態のまま、無駄な機能も含めて、現行機能の大半を継承するケースが多い。厳しい言い方になるかもしれないが、そうなるのは、ITエンジニアの側に「全ての現行機能をそのまま継承させるべきではない」という意識が不足していることが原因の1つだと思う。

 ITエンジニアの事情も分かる。利用部門から「新たにコストをかけるのに、なぜ現行機能の継承すらできないんだ」「現行機能をなくして何かあったらどうするのか」と迫られたとき、説得するのは容易ではない。

 しかしメタボな状態の現行機能の全てを新システムに継承するとどうなるか。追加できる新機能が減ったり、開発期間やコストが膨らんだりするのに加えて、新システム稼働後の運用保守コストが上昇する。

 そもそも既存システムを再構築する主な目的には、「直面する経営課題の解決に役立つシステム機能の再整備」に加え、「システム運用・保守の生産性向上」もあるはずだ。新システムでは、メタボな状態を脱するべきである。

 では、利用部門の合意を取りながら、新システムに継承する現行機能を削減するにはどうすればよいか。

 筆者らが所属する日立コンサルティングはこの問題に対処するため、2018年3月までにシステム再構築プロジェクトで新システムに継承する現行機能を絞り込む方法を手順化した。現在、実プロジェクトで効果検証し改良を加えながら、自社および日立製作所のITエンジニア向けに研修を行い、現場への浸透を図っている。

 本記事では、その方法を解説する。

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