サーバー向けプロセッサーで高いシェアを持つ米インテル。同社が現行世代の「Xeon Scalable Processors(Xeonスケーラブル・プロセッサー)」を発表したのは2017年の夏だった。2019年は、いよいよ新しい世代のサーバー向けプロセッサーが登場する。特集の第1回である本記事では、インテルのサーバー向けプロセッサーの変遷と、現行Xeon SPの特徴、市場のどういったニーズを受けて開発されているかを解説する。

 現行のプロセッサーの概要と製品展開を説明する前に、インテルのサーバー向けプロセッサーのこれまでの流れを解説しておこう。

 インテルのサーバー向けプロセッサーの直接の先祖となるのは、1996年に販売が開始されたPentium Pro(開発コード名はP6)だ。Pentium Proは、設計段階から大容量キャッシュを搭載したバージョンが用意されるなど、サーバーでの利用を意識した製品だった。この時点では、消費者向けのプロセッサーブランドである「Pentium」にProを付けただけであり、実際Pentium Proは消費者向けにも提供されていた。

 インテルの製品に限らず、半導体メーカーはブランド名を明らかにしていない正式発表前の製品に開発中に利用する名称である「開発コード名」を付けてブランディングしていることが多い。プロセッサーやハードウエアの業界では、ブランドよりも開発コード名がメジャーなことがある。本記事では両方を紹介していく。

現在のブランドは「Xeon SP」に

 サーバー向けのプロセッサーが消費者向けと分離したのは、1998年にインテルが発表したPentium II Xeon(開発コード名はDrake)からだ。インテルはこのDrakeからサーバー向けのサブブランドとして「Xeon」(ジーオン)を利用している。さらに2001年にリリースした開発コード名「Foster」からは、Xeonはメインブランドに昇格した。それから今まで、「MP」「EP」のようなサブブランドが付くことはあっても、一貫してXeonをサーバーのブランドに利用してきた。

Xeonプロセッサーのコード名の歴史、最初の製品のコード名がDrakeで現行製品がSkylake、1998年以来20年にわたりリリースされ続けてきた。
(撮影:笠原 一輝)
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 現行製品である「Skylake-SP」(開発コード名)もXeonのブランドを使っているが、この世代からはサブブランドとしてSP(Scalable Processors)を採用しており、Xeon SPまたはXeon Scalable Processors(Xeonスケーラブル・プロセッサー)としてブランディングしている。

 さらにSkylake-SP世代で導入されたのが、Platinum、Gold、Silver、Bronzeといった金属の名称を利用したクラス分けだ。日本語の「松竹梅」のようなもので、Platinumが最上位で、Gold、Silver、Bronzeの順でクラスが下がる。消費者向けプロセッサーがCore i7、Core i5、Core i3のように7/5/3でクラス分けされているのと同じだ。

米インテル(Intel)のXeon Scalable Processors(Xeonスケーラブル・プロセッサー、開発コード名はSkylake-SP)のリテール用パッケージ、Platinum、Gold、Silver、Bronzeという金属の名前に由来するクラス名を採用している。
(撮影:笠原 一輝)
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 実際の性能の上下関係を示しているのは、インテルが「プロセッサー・ナンバー」と呼んでいる数字だ。2019年3月時点の製品だと、「Xeon Platinum 8180」などとなっている。

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