本特集ではこれまでに「機能更新プログラム」と呼ぶ大型アップデートや、「品質更新プログラム」という月例のアップデートについて説明した。これらのアップデートを適用することで、不具合が修正され、新機能や強化された機能を使えるようになる。

 しかし、Windows 10 October 2018 Updateのように、大型アップデートを適用した後に致命的な不具合が発見される場合もある。あるいは、アップデート後に特定のアプリケーションが動作しなくなることもある。特に業務で使うパソコンでは、こうした事態は業務の遂行に支障が出たり業務効率が低下したりするために避けたいはずだ。

 こうした理由から、企業によってはWindowsの新しいバージョンが発売されてもすぐに乗り換えず様子を見ていた。テスト環境のパソコンにだけ新バージョンを導入し、自社で使っている業務アプリケーションが問題なく動作することを検証してから、乗り換えることにしているわけだ。

上位エディションは大型アップデートを先延ばし可能

 Windows 10では、従来の新バージョンに代わるものとして、機能更新プログラムを年2回提供している。これについても、従来すぐに新バージョンに乗り換えなかった企業は提供開始直後に適用せず、しばらく様子を見ておきたいところだろう。こうした企業は、Windows 10 ProやWindows 10 Enterpriseといった上位の企業向けエディションを選ぶことで、設定で機能更新プログラムの適用を先に延ばせる。

 まず、大型アップデートの適用方法を定義した「サービスチャネル」について確認しておこう。以下の3通りがある。

サービスチャネルは3通り
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 半期チャネル(対象指定)は、家庭向けのパソコンに適している方法。大型アップデートが公開されたら、すぐに適用する。Windows Updateを実行することで、常に最新の状態に保たれる。マイクロソフトが推奨しているのは、このサービスチャネルだ。Windows 10 Homeは、半期チャネル(対象指定)のみしか選べず、大型アップデートの適用方法を切り替えられないので注意しよう。

 業務で使うパソコンは、急なWindowsの仕様変更により作業に支障が出る場合もある。それに考慮したのが半期チャネルだ。大型アップデートの適用を、提供開始から4カ月後に先延ばしできる。また設定を変えることでさらに1年間、機能更新プログラムの適用を遅らせることが可能だ。大型アップデートの提供開始後、社内検証やアプリケーションの動作テストなどに十分な準備期間を取れる。半期チャネル(対象指定)と半期チャネルは、Windows 10の設定を変えることで切り替えられる。

 長期サービスチャネルは、大型アップデートが適用されず、現在のバージョンをそのまま使い続けられる。医療装置、販売時点管理システム、ATM(現金自動預け払い機)などを制御する機器への組み込み用など、安定動作が求められるようなパソコンに適している。このサービスチャネルを利用できるのは、Windows 10 Enterprise LTSC/LTSBやWindows 10 IoT Enterprise LTSC/LTSBといった一部エディションのみ。これらのエディションのバージョンは、「Windows 10 Enterprise LTSC 2019」や「Windows 10 IoT Enterprise LTSC 2019」のように登場した年の西暦が付加される。大型アップデートは別製品という扱いとなるため更新はできず、ライセンスを新たに購入しなければならない。

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