売り上げの架空計上や費用の先送り、取引データの改ざんなどを通して、わざと業績や財政状況をよく見せようとする不正会計。東芝やリコー海外子会社など大企業で発覚したこともあり、世間は以前にも増して不正会計に厳しい目を向けている。

 大手企業の多くはERP(統合基幹業務システム)製品を基に基幹系システムを構築して、日々の業務に活用している。ERPは、販売や物流、調達といった業務で扱う情報を一元管理し、その情報を基に効率よく会計処理が行える。一部の不正会計は、このERPが管理するデータを従業員が改ざんすることで起きている。

 近年、ERP製品でこうした不正会計を防止する機能の強化が進んでいる。機械学習などの人工知能(AI)技術で不正を検知するほか、従業員の操作ログをリアルタイムに分析して不正の兆候をつかむことも可能になりつつある。

 SAPジャパンの上硲(うえさこ)優子ソリューション統括本部デジタル・アプリケーション第2部グループリーダーは「ERPは元々、ユーザーが不正にデータの改ざんを抑止したり、改ざんしたらすぐ分かるよう、ユーザーをけん制したりする機能を備えている」と話す。

不正会計を防ぐためにERPが備える3つの機能
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 ERPが備える不正会計の防止機能にはどのようなものがあり、どのような機能が強化されつつあるのか。

 ERPとその関連製品が持つ不正防止機能は大きく分けて3つある。ユーザーによって扱うデータに制約をかける「権限」、ユーザーの操作状況をたどれる「ログ」、データ改ざんのリスクを検知する「分析」だ。ここでは、SAPジャパンの「SAP S/4HANA」と、日本オラクルのERPクラウドサービス「Oracle Enterprise Resource Planning (ERP) Cloud」が備える機能を中心に見ていこう。

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