「クラウドAI(人工知能)を使うことで、1万枚以上の写真から顧客が自分の子供が写ったものを1~2秒で検索できる」。ネット写真販売サービス「はいチーズ!」を手掛ける千の千葉伸明社長は、深層学習を使ったクラウドAI活用の効果をこう説明する。

千の千葉伸明社長(左)と熊谷大地ものづくり部開発・運用グループリーダー
[画像のクリックで拡大表示]

 はいチーズ!は幼稚園や保育園の運動会といったイベントの写真を、ネット経由で閲覧・購入できるサービスだ。幼稚園や保育園を中心に全国で5000団体が利用する。

 大規模な園では写真が1万枚以上になることもある。保護者にとって、豊富な選択肢から写真を選べる一方で検索の手間が課題となっていた。

 課題解決のために2017年に採用したのが、米アマゾン ウェブ サービス(AWS)が提供する画像認識AIサービス「Amazon Rekognition」だ。これを使い、顔検索機能を開発した。保護者が子供の写真をアップロードすると、顔の類似度からその子供が写っていると推測される写真を自動抽出する。

はいチーズ!の画面
(出所:千)
[画像のクリックで拡大表示]

 「数年前から商用製品やオープンソースソフトウエア(OSS)などを試していたが、精度やコストでRekognitionなら実際に利用できると感じた」。開発を手掛けた千の熊谷大地ものづくり部開発・運用グループリーダーは、Rekognition採用の経緯をこう振り返る。

導入時に二つの課題

 Rekognition導入時には二つの課題が生じた。一つはAWSのリージョン(広域データセンター群)の問題だ。RekognitionはAWSの東京リージョンでは利用できない(2017年10月初旬でも同様)。導入時の2017年8月時点で利用可能なリージョンは、米バージニア北部、米オレゴン、アイルランドのみだった。千はオレゴンリージョンを選択した。

 はいチーズ!の画像はもともと東京リージョンのオブジェクトストレージAmazon S3に保管している。Rekognitionを使うには、同一リージョン、つまりオレゴンリージョンにデータを置かなければならない。「画像データは1億枚以上あり、東京リージョンのデータをコピーするとS3の利用料が2倍になる」(千葉社長)ことが課題となった。

 解決策として次の工夫をした。

この先は日経 xTECH Active会員の登録が必要です

日経xTECH Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。