決まりきった事務作業手続きで、本業の時間を奪われる。会議中に承認ボタンを押すという「内職」に追われる。こんな状況を改善し、本業に専念したい――。こんなストレスを抱えるビジネスパーソンを救ってくれる解決策が出始めている。早速見てみよう。

 

即効薬(1) ソフトロボで定型作業を自動化

 決まった時期に決まった画面の入力欄にデータを書き込む、毎週基幹系システムからExcelシートにデータを転記する、3日ごとに複数のECサイトで自社商品の価格を調べて一覧表にまとめる――。PCを使ってこなすこうした「定型的な作業」を肩代わりしてくれる技術「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)」はムダ取りに役立つ。

 RPAの基本的な仕組みはシンプルだ。作業を自動的に実行するプログラムである「ソフトウエアロボット」に仕事を覚えさせる「記録」と、覚えさせた仕事をソフトロボに「実行」させる2段階から成る。

 ソフトロボによる記録や実行を担うソフトが「RPAツール」だ。RPAテクノロジーズの「BizRobo!」が草分け的存在で導入事例も多い。WindowsPCだけで動作するNTTデータの「WinActor」、クラウド上にロボを置くBizteXの「BizteX cobit」などが登場してきている。料金は月数十万円というのが相場観だ。

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の概要とRPAテクノロジーズの「BizRobo!」の画面
ソフトロボの活用で定型作業から解放(画面提供:RPAテクノロジーズ)
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 RPAを導入すると作業内容にもよるが手作業に比べて作業効率は数倍から数十倍に高まる。人間と違って作業時間の制限がないため、社員が帰宅後、夜中に作業させるといった使い方も可能だ。非生産的な定型作業による労働時間を減らせる。もちろん人と違ってキーの打ち間違いや入力漏れといったケアレスミスもない。

 導入のハードルは高くない。新システムの開発や既存システムの修整といった大掛かりな対応が不要なためだ。実際の導入作業は、人間が実施している作業を1つずつ実施してソフトに「記録」する作業であり、プログラミングというよりも初期設定に近い。

 導入時の注意点はソフトロボの稼働状況や作成状況を適切に管理すること。いわばロボットの労務管理だ。

 RPAは手軽に導入できる半面、現場が野放図にソフトロボを作ってしまうと管理者が不明な野良ソフトロボが増殖しかねない。どの現場でも見かける野良Excelマクロの二の舞いを防ぐ必要がある。RPAツールの管理機能を使ったり、ソフトロボの作成権限をシステム部門などに集中させたりするなどの手立てが必要だ。

 RPAは今後、人工知能(AI)技術を取り入れて、より高度な自動化を実現できる見通し。条件分岐を自動的に判断したり分析や改善の結果を提案したりといった強化が進むとみられる。

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