eコマースを運営していると、アクセスデータをはじめ注文履歴、配送先情報といった顧客の生きた情報を毎日のように取得できる。これらのデータを集めて分析することで、顧客の傾向を見つけて、効果的な施策やキャンペーンなど次の一手を検討し、その適用についての意思決定につなげられる。

 あるECサイトを例に具体的な改善の手順をみてみよう。アクセスデータと注文情報の関連を分析したところ、全商品の約60%が購入数で上位20位の商品で、それらの平均単価は4400円だった。

 そのECサイトでは1回で5000円以上の買い物をした顧客は配送料を無料とし、それ未満は一律780円としていた。顧客のアクセス結果をよく見ると、多くの顧客が一つの商品を買い物カゴ入れた時点で、カゴ落ちつまり購入をせずに買い物を中断していた。

 そこで、カゴ落ちを防ぐため改善策を検討した。1.配送料を4000円以上の買い上げで無料とする案、2.配送料無料となる金額は変更せずに、1000円のお試しセットを作ることで客単価を上げる(平均単価の4400円に1000円を加えることで、配送料無料の5000円を超えるよう演出する)案、3.買い物カゴに「送料無料まであと○○円」といったメッセージを出し、その金額を上回る価格の商品をリコメンドする案などだ。

 この三つの施策を1カ月ごとに試したところ、3.の施策に一番効果があることが分かった。この施策を年間通じて実施したところ、eコマースの売り上げが前年度比べ約120%となった。

 このように、施策の案を練り、具体的に実証するために、データ活用が必須となっている。

eコマースで取り扱うデータ

 ではeコマースで取り扱うデータはどのようなものだろう。商品情報、決済情報、注文情報など多岐にわたるが、主なものを次ページに示す。

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