伊仏合弁STMicroelectronics社はモバイル機器に向けて、セキュアーSoCの「ST54J」を発表した(ニュースリリース)。NFCコントローラーとセキュアーエレメント、eSIMの3つの機能を統合した1チップSoCである。

新製品と利用イメージ。STMicroelectronicsのイメージ
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 ST54Jは同社の第4世代セキュアーエレメント製品。今回、eSIM機能をセキュアーエレメントICの回路と、NFCコントローラーICの回路を1チップに集積した。2チップ構成時に必要だったチップ間通信がオンチップ通信になったことで、性能が向上する。実装面積も削減した。モバイル機器を使った支払いや、eチケット取り引き、モバイル機器のプロビジョニングが迅速になるという。

 NFCコントローラー側の回路は、56MHz動作のCortex-M3コアをベースとする。ファームウエアは100%書き換えることができる。5VのDC-DCコンバーターを外付けすることで、最大2WのNFC送信出力を確保可能。極小サイズのアンテナや金属フレームアンテナに対応する。超低消費電力のハイバネートモード動作や、バッテリ電圧モニタリング、低電力動作時のCE(Card Emulation)中のIFS(In-Frame Synchronization)などの機能を備える。NFC Forum Type 1/2/3/4/5タグやISO/IEC 15693、MIFARE、FeliCaなどの読み書きに対応する。

 一方、セキュアーエレメント側の回路は、100MHz動作のCPUコア「Arm SecuCore SC300」や2Mバイトのフラッシュメモリー、2KバイトのキャッシュSRAM、64KバイトのユーザーSRAMなどからなる。Java Card 3.0.5、GlobalPlatform 2.3 with Amdts、EMVCoといったセキュアーOSに対応する。CC EAL5+のセキュリティー認証に対応し、DES/AES暗号アクセラレーターやMIFARE Classic対応暗号化アクセラレーター、公開鍵暗号向けのNESCRYPTコプロセッサーなども搭載している。

 今回のSoCは、ホストインターフェースとしてHS-UART利用すると最大8Mビット/秒の通信が可能である。最大1.695Mビット/秒のSWPインターフェースを2本備える。チップ内のNFCコントローラーとセキュアーエレメント間のデータ通信速度は120Mビット/秒。最大26Mビット/秒のSPIや、I2Cのマスタースレーブ機能での通信も可能。

 動作電圧範囲は2.4~5.5V、このほかにI/O電圧として1.62~3.3Vが要る。動作温度範囲は-30~+85℃。パッケージは81ボールのWLCSPで、ECOPACK互換である。現在、ST54Jは特定ユーザーに向けてサンプル出荷中。量産開始時期及び価格は未公表。