NECは、工場の無線LAN環境の改善に向けた施策を提案するサービス「無線通信課題コンサルティング」を提供する(ニュースリリース)。同社は、工場内の安定した無線通信の実現を目指す情報通信研究機構(NICT)による共同研究プロジェクト「Flexible Factory Project」への参加を通し、稼働中の工場で無線通信技術の基礎評価・検証を行いつつ蓄積してきた知見を新サービスに生かす(関連記事)。

 新サービスではまず、工場内の無線LANを2.4GHz(1~13ch)/5GHz(W52/W53/W56)の範囲内で時系列に可視化する(図)。具体的には、無線データ収集機器を使ってアクセスポイントごとの電波受信強度を測定。測定エリアにおける無線LANの状態変化を明らかにすることで、実際の使用状況を時系列に把握していく。このとき、アクセスポイント側だけでなく接続する機器の状態も可視化し、測定したエリア全体の無線LANの状態変化を把握する。

図:時系列で表示した可視化画面のイメージ
図:時系列で表示した可視化画面のイメージ
(出所:NEC)
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 これによって現状の通信品質や稼働状況を把握し通信品質や稼働状況を把握し、アクセスポイントごとの接続数や帯域占有率、再送率など複数の指標に基づいて多角的に分析。通信が繋がらなかったり途切れたりする原因を探る。その結果から、アクセスポイントの配置状況を見直す、接続する機器の運用を見直すといった解決策を提案し、エリア全体の無線LAN環境の適正化を支援する。

 同社によると、工場のIoT(Internet of Things)化に向けて無線通信ネットワークの整備が急務になっている。有線LANは無線LANに比べて通信自体は安定しているものの、設置工事にコストがかかる上、配線ケーブルの取り扱いや生産ラインのレイアウト変更への対応が難しい。このため無線化のニーズが高まっているが、工場内ではノイズによる干渉や生産設備による遮蔽などで、無線LANの通信品質が不安定になるケースがある。新サービスを利用することで、こうした状況の改善を図れる。

 同社は既に、NECプラットフォームズ(本社東京)や日本航空電子工業の工場で新サービスの内容を実証しており、アクセスポイント位置や機器接続位置の見直しなど、無線通信環境の適正化を実現したという。新サービスのメニューとしては、データ収集のみの「ベーシックプラン」、データ収集と課題抽出の「スタンダードプラン」、データ収集から課題抽出、解決策提案までを含む「プレミアムプラン」を用意する。価格は70万円(税別)から。測定エリアの広さはアクセスポイントの数や位置、遮蔽物の有無などによって異なるが、6000m2以内を基準とする。