米Texas Instruments(TI)社は、CAN FD(Controller Area Network with Flexible Data Rate)に対応した制御回路とトランシーバー回路を集積した車載機器向けIC「CAN4550-Q1」を発売した(ニュースリリース)。同社は、発売したICを「SBC(System Basis Chip)」と呼ぶ。車載機器のマイコンが備えるSPIインターフェースに今回のICを接続することで、CAN FDインターフェースを実装できる。同社によると、「これまでCAN FDの実装や機能拡張を行うには、複数のディスクリート部品の追加や、マイコンを変更する必要があり、非常に多くの時間とコストが費やされていた。発売したICを使えば、既存のマイコンはそのままにボディー制御機器や車載照明機器、ADAS対応機器、車載ゲートウェー機器などにCAN FDを容易に実装できるようになる」という。

CAN FDに対応した制御回路とトランシーバー回路を集積した車載機器向けIC。Texas Instrumentsのイメージ
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 車載用半導体ICの品質規格である「AEC-Q100」に準拠する。CAN FD制御回路は、「ISO 11898-1:2015」規格と「Bosch M_CAN Revision 3.2.1.1」を満足する。CAN FDインターフェースのデータ伝送速度は最大8Mビット/秒。従来のCAN(Classic CAN)との後方互換性を確保した。動作モードは、ノーマルモード、スタンバイモード、スリープモード、フェールセーフモードを備える。CANバスのフォールト保護電圧範囲は±58Vで、コモンモード電圧範囲は±12V。最大出力電流が125mAのLDOレギュレーター回路を集積した。これを使ってIC自身に電力を供給すると同時に、電力センサーなどの外付け部品に最大+5V/70mAの電力を供給できる。

 パッケージは、実装面積が4.50mm×3.50mmの20端子VQFN。動作温度範囲は−40〜+125℃。1000個購入時の米国での参考単価は1.79米ドルである。このほか、評価ツール「TCAN4550-Q1評価モジュール」も用意している。米国での参考単価は149米ドルである。