米Analog Devices(アナログ・デバイセズ)社は、第4世代(4G)のLTE方式や第5世代(5G)のミリ波方式における通信容量やデータスループットを増やすことができるRFデータコンバーターIC「AD9081/AD9082」を発売した(ニュースリリース)。同社は「MxFE(Mixed Signal Front End)」と呼ぶ。複数のA-D変換器と、複数のD-A変換器を1チップに集積した。AD9081は、最大サンプリング周波数が4Gサンプル/秒の12ビットA-D変換器を4個、最大変換周波数を12Gサンプル/秒の16ビットD-A変換器を4個集積した。一方、AD9082は最大サンプリング周波数が6Gサンプル/秒の12ビットA-D変換器を2個、最大変換周波数を12Gサンプル/秒の16ビットD-A変換器を4個集積した。

4Gや5Gの通信容量を増やせるRFデータコンバーターICの内部ブロック図。アナログ・デバイセズのデータシートから
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 受信に使うA-D変換器のチャネル帯域幅はそれぞれ1.6GHzで、受信に使うD-A変換器のチャネル帯域幅はそれぞれ2GHzと広い。チャネル帯域幅が広ければ、より多くのアンテナを利用できるため、通信容量やデータスループットを増やすことが可能になる。同社によると、「今回発売したICを使えば、現行の4G LTE基地局に比べて、通信容量を3倍に増やせる」という。さらに同社は、「周波数変換とフィルター処理がアナログ領域からデジタル領域に移行しており、発売したICを使えば、ソフトウエア設定で無線通信のさまざまなパラメーターをカスタマイズできる」としている。具体的な応用先には、4G/5G対応の無線通信インフラ機器、5G通信向けテスト機器/計測器や、広帯域CATV向けビデオストリーミング機器、マルチアンテナのフェーズド・アレー・レーダー・システム、地球低軌道衛星ネットワーク機器などに挙げている。

 例えば、AD9801の特性は以下の通り。A-D変換器とD-A変換器の入出力信号の周波数帯域は5.2G〜7.5GHzに対応する。A-D変換器の雑音スペクトル密度(NSD)は−149dBFS/Hz。スプリアス・フリー・ダイナミック・レンジ(SFDR)は−75dBc。D-A変換器の雑音スペクトル密度(NSD)は−158dBFS/Hz。スプリアス・フリー・ダイナミック・レンジ(SFDR)は−75dBcである。

 

 2製品どちらも、デジタル入出力インターフェースはJESD2048B/Cに準拠する。16レーンを備えており、最大データ伝送速度は24.75Gビット/秒に達する。16レーンのうち、8レーンがA-D変換器用、残る8レーンがD-A変換器用である。消費電力は6〜7W。パッケージは、2製品どちらも、実装面積が15mm×15mmの324端子BGA。サンプル出荷は2019年9月の開始する予定。量産出荷は、AD9082が2019年12月、AD9081が2020年3月に始める計画である、1000個購入時の米国での参考単価は、AD9081が1487米ドル、AD9082が1500米ドルである。