米Texas Instruments(TI)社は、最大サンプリング速度が10.4Gサンプル/秒と高い12ビット分解能のA-D変換器IC「ADC12DJ5200RF」を発売した(ニュースリリース)。A-D変換器コアを2個集積しており、シングル・チャネル・モード時の最大サンプリング速度は10.4Gサンプル/秒と高いことが特徴。デュアル・チャネル・モード時は5.2Gサンプル/秒になる。

最大サンプリング速度が10.4Gサンプル/秒と高い12ビットA-D変換器IC。TIのイメージ
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 アナログ信号入力の帯域幅が8GHzと広いことも新製品の特徴である。同社によると、「競合他社品に比べて20%広い帯域幅を実現した。この結果、非常に高い周波数のアナログ信号をデジタル信号に直接変換できるため、ダウンコンバージョンに必要なコストや実装面積、電力消費を削減できる」という。具体的な応用先には、第5世代(5G)通信システムに向けたオシロスコープや広帯域デジタイザー、通信テスターのほか、レーダーや衛星通信機器、ソフトウエア無線対応機器、分光器などを挙げている。

 微分非直線性誤差(DNL)は0.7LSB(標準値)。積分非直線性誤差(INL)は2.0LSB(標準値)。オフセット誤差は±300mV(標準値)で、その温度ドリフトは23μV/℃(標準値)とどちらも小さい。このため「アナログ信号検出時のシステム誤差を最小限に抑えられる」(同社)という。雑音スペクトル密度は−151.8dBFS/Hz(標準値)。雑音指数(NF)は23.2dB(標準値)。SN比は、アナログ信号入力の周波数が2.4GHzのときに54.1dB(標準値)。有効ビット数(ENOB)は、アナログ信号入力の周波数が2.4GHzのときに8.6ビット(標準と)である。デジタル出力インターフェースは、1レーン当たりのデータ伝送速度が最大17.16Gビット/秒と高い「JESD204C」に準拠する。エンコーディング方式は、64B/66Bと8B/10Bに対応する。

 電源電圧は+1.1Vと+1.9 Vの2電源。消費電力は4.0Wである。「消費電力は、競合他社品に比べると20%少ない。このため発熱量を最小限に抑えられ、放熱対策が簡易になる」(同社)という。パッケージは、実装面積が10mm×10mmの144端子FCBGA。動作温度範囲は−40〜+85℃。すでにサンプル出荷を始めている。価格は明らかにしていない。