米Power integrations社は、+900VのパワーMOSFETを内蔵したスイッチング電源ICを発売した(ニュースリリース)。今回発売したのは2つのファミリーである。1つは、非絶縁型の降圧型DC-DCコンバーターなどに向けた「LinkSwitch-TN2」。もう1つは、絶縁型フライバックコンバーターなどに向けた「InnoSwitch3-EP」である。用途には、最大交流(AC)480V入力の産業用3相電源装置や、白物家電、電力メーター、LEDドライバー回路、ホームオートメーション機器、ビルオートメーション機器などを挙げている。

900V耐圧のMOSFETを内蔵したスイッチング電源IC。Power Integrationsのイメージ
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 LinkSwitch-TN2は、降圧型(バック)のほか、昇降圧型(バック-ブースト)、フライバック型の回路トポロジーに対応する。スイッチング周波数は66kHz。
動作モードは、MDCM(Mostly Discontinuous Conduction Mode)とCCM(Continuous Conduction Mode)を用意した。交流85V〜265V入力のときの最大出力電流は、MDCMの場合に225mA、CCMの場合に260mAである。内蔵したパワーMOSFETのオン抵抗は9.7Ω(最大値)。スイッチング周波数に対してジッターを与えるスペクトラム拡散クロック技術を採用することで、放射電磁雑音(EMI)を低減したという。短絡や開ループといったフォールトを検出した際の自動リスタート機能や、出力の過電圧保護機能、ライン入力の過電圧保護機能、ヒステリシス機能付き過熱保護機能を用意した。スタンバイ時の消費電流は100μAと少ない。パッケージは、8端子DIPと8端子SMD、8端子SOPを用意した。

 InnoSwitch3-EPは、擬似共振(QR:Quasi Resonant)モードとCCMに対応した絶縁型フライバックコンバーターを構成できる。絶縁耐圧は4kVを確保した。最大45W出力の電源回路に適用可能だ。変換効率は、全入力電圧範囲と全負荷変動範囲にわたって最大90%が得られるという。このため最大35W出力の電源回路までヒートシンクなしで実現できる。同社独自の絶縁型デジタル通信技術「FluxLink」を搭載した。2次側の同期整流技術を採用した。入力の過電圧/低電圧保護機能や、2次側同期整流用FETのゲート電極開放検出機能などを搭載した。パッケージは24端子InSOPである。

 どちらのファミリーもすでにサンプル出荷を始めている。1万個購入時の米国での参考単価は、InnoSwitch3-EPファミリーが1.18米ドル、LinkSwitch-TN2ファミリーが0.60米ドルである。