スイスUniversität Zürich発のスタートアップ企業であるスイスaiCTXは、スパイキングニューロンを100万個集積したAI処理プロセッサーIC「DynapCNN」を開発した(ニュースリリース)。スパイキングニューロンをベースにしたAI処理プロセッサーICは、人間の大脳の動作に近く、脳型AIチップとか脳型チップとも呼ばれる。脳型チップでは米IBMの「TrueNorth」がよく知られているほか、複数の研究機関が開発発表している(例えば、関連記事)。

「DynapCNN」。aiCTXの写真
[画像のクリックで拡大表示]

 今回、aiCTXが開発したDynapCNNは学習済みCNN(Convolutional Neural Network)を実装して、画像認識向けの推論処理を効率よく行うことを狙っている。他のスパイキングニューロンをベースにした脳型チップと同じく、DynapCNNはクロックを使わずに、イベントドリブン方式で処理を進める。このため、現在実用化しているCNNを実装する推論処理用ICに比べて、消費電力が低く、レイテンシーが短いとする。同社によれば、電力効率は100~1000倍に、レイテンシーは1/10にできるポテンシャルがあるという。

 DynapCNNは22nmプロセスで製造され、チップ面積は12mm2。そこに100万個以上のスパイキングニューロンと400万個以上のプログラマブルなスイッチを集積している。スケーラブルでかつCNNの実装に最適化したチップアーキテクチャーを採るとする。DynapCNNの開発キットは2019年第3四半期に提供開始の予定である。