現在のインターネットの主役は、World Wide Web(以下、Web)だといってよいだろう。しかし、Webが現れたのはインターネットの歴史の中では最近のことだ。インターネットの起源は1969年にまで遡るのに対し、ティム・バーナーズ=リー氏が今日のWebサーバーとWebブラウザーの原型となるソフトウエアを開発し、世界初のWebサイトを公開したのは1991年。実に約20年もの隔たりがある。

 当初のWebでは文字情報しか扱えなかった。今日のように画像を扱えるようになったのは、米イリノイ大学の研究機関であるNCSA(National Center for Supercomputing Applications)の学生だったマーク・アンドリーセン氏が開発した「NCSA Mosaic」というWebブラウザーからである。これ以降、Webは情報共有の手段として爆発的に普及した。

画像を扱えるようになったWebブラウザー「NCSA Mosaic」
[画像のクリックで拡大表示]

 Webを実現するために重要な技術は二つある。Webサイトの記述言語「HTML」とWebの通信プロトコル「HTTP」だ。

 HTTPの最初の仕様であるHTTP/0.9は、Webが生まれた1991年に登場した。現在の主流であるHTTP/1.1の仕様は1997年に公開された。

 一方、HTML 1.0が仕様化されたのは1993年、広く普及したHTML 4.01の仕様が公開されたのは1997年である。

 ただし現在のWebサイトは、静的な情報を提供するだけでなく、アプリケーションを提供するという役割も大きくなっている。例えば、電子メールクライアントや地図表示といった機能を持つWebアプリケーションだ。こうしたアプリケーションを前提とした仕様がHTML5である。

 Webアプリケーションは、HTTPとHTMLに加えて様々な技術で構成されている。その中で最も重要なのが、プログラムの記述言語であるJavaScriptだ。JavaScritpで書かれたプログラムはWebブラウザーの上で動作する。Webサーバーから受け取ったデータに基づいてJavaScriptコードがWebページをリアルタイムに書き換えることで、アプリケーションとして動作する。

Webアプリケーションの構成要素
[画像のクリックで拡大表示]

通信プロトコルも進化

 通信プロトコルであるHTTPも現在のインターネットの状況に合わせて進化している。2015年には、HTTP/2という新しい仕様が登場した。従来のHTTP/1.1が持つ通信のオーバーヘッドを削減することで、高速な通信を実現するものだ。

 さらに、HTTPを使わずにWebの通信の高速化を図る技術も登場している。米グーグルはWebアプリケーションに特化したQUICというプロトコルを開発した。信頼性向上の仕組みを備えるTCPではなく、そうした仕組みを持たないUDPをベースにすることで負荷の軽減を図っている。通信の信頼性はQUICのレイヤーで担保する。TLSに相当するセキュリティ機能が標準で組み込まれているのも特徴だ。

Webアプリに特化した通信プロトコル「QUIC」
[画像のクリックで拡大表示]