外部ベンダーにデータだけ渡してAIの構築を丸投げすると、実務では使えないAIを構築することになりかねない。ユーザー企業が構築に関わることで役に立つAIを構築したのがアサヒグループホールディングスだ。

 アサヒグループのヘルプデスクには、1万5000人以上の社員から社内システムについて年間約7万2000件の問い合わせが寄せられる。そこで、問い合わせに自動応答するチャットボットを、グループ企業のアサヒビジネスソリューションズ、ITベンダーのNECネッツエスアイと構築した。

 2017年7月に導入して3カ月間、チャットボットが24時間対応で応答の一部を代行した結果、問い合わせに即時応答できる応答率は従来の50%から70%近くに上昇した。これまで繁忙期に即応できないことがあったが、簡単な質問をAIに任せることで応答率が20ポイントほど改善した。

(写真・画像提供:アサヒグループホールディングス)
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 構築に当たっては、米マイクロソフトのクラウドサービス「Microsoft Azure」が提供する自然言語処理機能「LUIS(Language Understanding Intelligent Service)」を活用。アサヒ側とNECネッツエスアイがそれぞれ約5人ずつの合同チームを組み、社員にとって使いやすい対話画面などを構築した。

 社員のニーズを知るアサヒ側のチームはテキストだけでの回答にこだわらず、社内マニュアルや動画のリンクを組み合わせて表示することを提案。社員の満足度を高めるには「コンテンツの充実が大事」(アサヒグループホールディングス IT部門の知久龍人ゼネラルマネジャー)との考えからだ。テキストだけの回答では分かりづらいと感じる社員を想定し、およそ2000ある回答パターンのうち約100パターンにマニュアルや動画を関連付けた。それでも疑問が解消しない場合には人間が対応するヘルプデスクに誘導するようにした。

 2018年4月以降はITベンダーに頼らずアサヒビジネスソリューションズが機能追加などを担う計画だ。成果を基に他の業務にも展開を進めている。

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