盤石なビジネスモデルを持ち業界内で地位を確立した企業といえども、技術や環境の変化がもたらす、現行ビジネスモデルの疲弊や新たなビジネスモデルの登場によって、試練に直面します。日本マイクロソフトも例外ではありませんでした。実は同社は数年前のWindows 10へのバージョンアップの際に日本特有の大きな試練に直面し、それを克服したという経験を持ちます。今回も日本マイクロソフト 業務執行役員 コーポレートコミュニケーション本部 本部長 岡部一志氏の取材をもとに、混乱の中で実現していった自己改革を解説します。

日本マイクロソフト 業務執行役員 コーポレートコミュニケーション本部 本部長 岡部一志氏
(撮影:松本 敏明)
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Windows 10がもたらした市場の混乱

 3代目CEOとなったサティア・ナデラ氏はマイクロソフトの自己変革を進めました。その本気度を内外に示した象徴的な出来事の一つが、2015年7月の最新版のOS製品Windows 10の投入といえるでしょう。

 同社は看板製品のWindowsを、クラウドとモバイルの時代に対応させ、パッケージとして販売するOSからサービスとして提供するOS(「Windows as a Service」)へとビジネスモデルを作り替えたのです。Windows10の提供の際には、前バージョン(Windows 7またはWindows 8.1)からの無償アップグレードによって、パッケージ製品からインストール後に順次アップデートされていくサービスへと脱却を図りました。

 しかしマイクロソフトのこの決断は、日本市場に混乱を巻き起こしました。Windows 10への無償アップグレード期間終了の間近に、この自動アップデートの仕組みが日本のユーザーを混乱させたのです。ポップアップで画面に表示されるOSからの通知を無視することが多い日本のユーザーにとって、ポップアップからOSの自動アップデートにつながる仕組みは、「許諾していないのにOSを書き換える」という“マイクロソフトによる勝手な行為”と映ってしまったのでした。

 コーポレートコミュニケーション本部では、Windows10の自動アップデートの意味や安全性の高い最新OSの有用性、そして切り替えまでの操作方法を説明し続け、メディアによる報道を増やす取り組みを重ねました。

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