1990年代にパソコンブームを起こし、全世界でブランドを確立したマイクロソフトは、2010年代に入りクラウドやモバイルで出遅れを指摘されるようになってしまいました。その状況に立ち向かうため日本マイクロソフトが打ち出した自己変革を、業務執行役員 コーポレートコミュニケーション本部 本部長 岡部一志氏への取材から明らかにします。今回はその第2回目として、同社の変革の過程を、人事評価制度を中心に振り返ります。

日本マイクロソフト 業務執行役員 コーポレートコミュニケーション本部 本部長 岡部一志氏
(撮影:松本 敏明)
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“伝統的で古い”イメージとの苦戦

 自分たちはアマゾン・ドットコムやグーグル、フェイスブックといった企業と比較され、“伝統的で古い”といったイメージを持たれている――。この事実を直視するところから、日本マイクロソフトのコミュニケーション改革が始まりました。

 1999年入社の岡部氏は、約20年にわたり一貫して同社のコミュニケーションを担当してきましたが、過去の自身のイメージを払拭することの難しさを痛感しています。だからこそ社内外にいる幅広いステークホルダーと連動して、発信する情報へのアプローチを変えようとしています。

 同社の変化が目に見えるようになったのは、2010年に実施したコミュニケーションチームの名称変更からでした。当時の社長である樋口泰行氏の下、社長室という組織の中にあった広報部を、コーポレートコミュニケーション部に変更しました。広報が率先して、日本に根差し信頼される会社を目指したのです。そのためには会社そのものを伝えていく必要があるという意図から、部署名を「広報部」から「コーポレートコミュニケーション部」に変更しました。

 それから2011年2月の「日本マイクロソフト」への社名変更や品川本社オフィスへの移転、会社としての働き方改革のスタートなどを経験します。その中でコーポレートコミュニケーション部は、全社の取り組みにコミュニケーションの観点から深くかかわっていくようになりました。

 ただこの時点はまだ、職種としての名称は広報と同義のPR(Public Relations)のままでした。2015年のサティア・ナデラCEOによる全社ミッションの策定に合わせ、全社変革に貢献するコミュニケーションの役割を明確にするため、PRの職種名もコミュニケーション(Communications)へと変えました。

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