IT企業は技術の進化に乗り遅れないよう、自社の強みに常に磨きをかけなくてはいけません。そのときには技術や製品の改良を繰り返すだけでなく、社内の組織や文化を適切に順応させていく必要もあるでしょう。しかしBtoB・IT企業では、技術や製品のアップデートには注意を払っても、組織や文化の刷新を考えることや、それらを内外に向けてアピールすることを後回しにしてしまいがちです。

 こうした課題を企業のコミュニケーションという観点でどう変えていくのか。今回から3回にわたり、日本マイクロソフト 業務執行役員 コーポレートコミュニケーション本部 本部長 岡部一志氏の取材をもとに、創業43年のマイクロソフトから見えた企業変革のヒントを紹介します。

日本マイクロソフト 業務執行役員 コーポレートコミュニケーション本部 本部長 岡部一志氏
(撮影:松本 敏明)
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ナデラ新CEOの「再スタート(Restart)」

 マイクロソフトは1990年代にパソコンやサーバー向けOSの「Windows」やアプリケーション製品の「Office」を爆発的に普及させました。家庭にもオフィスにもパソコンを浸透させる上で大きな役割を担ったといっても過言ではないでしょう。

 その後ERP(統合基幹業務システム)やCRM(顧客関係管理システム)などの業務アプリケーションや、組み込みソリューション、コンシューマー向けのゲームやポータルサイト運営などに多角化の手を広げてきました。

 そんな同社は2000年代後半ころから、“変調”を来し始めます。スマートフォンやクラウドコンピューティング、ソーシャルメディア(SNS)などのテクノロジーが成長する中で、新しい分野で先行者に後れを取るようになってしまいました。

 その結果、全社としてのビジネスは順調でも、事業部同士が競争を始め、組織の一体感を保てなくなりました。並行して、一部からは「モバイル化やクラウド化に乗り遅れた会社」と指摘されることが増え始めました。

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