もはや、ワークスタイル変革はその社会的な意義を議論する必要はなく、必然のものとなっている。変革の方法は様々だが、テクノロジーの力を使うことでユーザーの働き方を変え、ビジネス成長を目指す。

 そのためには、物理的なオフィスにデジタル空間が融合した環境、すなわち「デジタルワークプレース」を実現する。CIO(最高情報責任者)とIT部門は、この環境をITテクノロジーを使ってどのように構築するか考える必要がある。

そのワークプレース改革はエンドユーザー視点か?

 デジタルワークプレースのあるべき姿は、「直感的で」「エンドユーザーにとって使いやすい」「デジタル化された」オフィス環境である。特に「使いやすい」ことは当たり前に聞こえるかもしれない。しかし現在のワークプレースはどちらかというとITや管理者の都合で考えられたもので、必ずしもユーザー中心となってはいなかった。

 大企業では、エンドポイントは数千から数万の規模になる。今までは「標準化」の旗印の下、全員が同じ環境を使うように定め、それが受け入れられてきた。しかしワークスタイル変革を進めるCIOは、改めて「ユーザー中心」の視点に立ち、エンドユーザーにとって最適な選択肢を提供することを検討すべきである。

 デジタルワークプレース実現のために役立つテクノロジーには、様々なものがある。図1図2にエンドポイント関連のテクノロジーのハイプサイクルを示しているが、この領域は主流の技術として採用されるまでの期間が「2年未満」もしくは「2~5年」のものが非常に多い。つまり変化の激しい分野であるが、新しいテクノロジーも次々と生まれている。

 理解を容易にするため、デジタルワークプレースの要件である「いつでもどこでも働ける」「スピードを上げる」「仕事の質を上げる」の三つの視点でテクノロジーを整理する。それぞれどんなテクノロジーがデジタルワークプレースにどのように役立つかを見ていこう。

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図1:エンドユーザーITのトレンド
(出典:ガートナー)
図2:エンドユーザーITのトレンド
図1に現われた複数の技術をグループ化している(出典:ガートナー)
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いつでもどこでも働ける

1.ワークプレース・フリー/ワークスペース・フリー

 「ワークプレース・フリー」は物理的な場所の制約を受けずにどこでも働ける環境を作ること、「ワークスペース・フリー」は自分にとって一番使いやすいデバイスから様々なアプリケーションやデータにアクセスできることを指す。これを実現するためのテクノロジーとして、例えば仮想デスクトップやモバイル・コンピューティング、クラウド・オフィスなどが該当する。

2.セキュリティ

 安全に使いやすくアプリケーションやデータを使うという意味で「セキュリティ」は重要である。該当するテクノロジーとして、このハイプの中ではEMM(Enterprise Mobility Management)やモバイル向けユーザー認証がある。ほかにもマルウエア対策や暗号化、てEDR(Endpoint Detection and Response)など様々なセキュリティのテクノロジーが存在する。昨今の重要なトレンドは、デバイスで扱うアプリケーションやデータのタイプに応じたセキュリティ対策である。

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