前回は、2007年にスウェーデンのウプサラ市にあるGEヘルスケア・ライフサイエンス本社に赴任した私が、国々の文化の違いを理解して尊重するスキルがないことに気が付いて愕然(がくぜん)としたところまでを述べた。今回はこの続きで、一緒に働く同志が共有すべき価値観=すなわち「企業内文化」を紹介する。

全世界30万人に共通の価値観

 GEには、「GE Value」と呼ばれる全世界30万人に共通の価値観がある。日本の会社でいうところの行動指針とか行動規範と呼ばれるものに等しい(注:GE Valueは既に廃止されており、現在は2014年に改定した「GE Beliefs」が、GE社員が目指すべき方向を示している)。

 GE Valueは具体的には以下の項目からなる。

  1. 外部志向(External Focus)
  2. 明確でわかりやすい思考(Clear Thinker)
  3. 想像力と勇気(Imagination & Courage)
  4. 包容力(Inclusiveness)
  5. 専門性(Expertise)

 私は、在籍していた会社が2004年にGEに買収されたときにGE Valueを知り、その価値観をすぐに理解し納得した。それからは日々の判断や行動の基準として自身で活用しただけでなく、日本のメンバーたちに、これを徹底させるために何度も繰り返し語ってきた。

 私が知る限り日本企業では、社是や行動規範は社員の誰一人にも覚えてもらえず、飾りもののように扱われている場合が多い。GE Valueはそうした状況とはだいぶ違っていて、「まるで宗教みたい」と言われたこともあったほどだ。業績評価指標と併せて給料や賞与が決まる「価値観の評価指標」でもあったから、その浸透度は圧倒的に高かった。

「企業内文化」を共有できてさえいれば

 GE Valueが共通の判断基準であり行動規範であったおかげで、たいして英語を話せない私がスウェーデン本社に赴任し、言葉の壁を越えて同僚たちと仕事をするときに大いに助けられた。日本にいる時点でしっかりと腹落ちして自分の言葉で語れるようになっていたから、GE Valueを基準に働くことにも、判断することにも、そしてメンバーを導くことにも絶対の自信があった。

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