直井研究員は平野所長に質問をしています。メールの失敗を「送信者の問題」という側面から整理、失敗を防ぐ・なくすためにはどうしたらいいか、議論しています。

直井研究員(以下、直井):メールで100点を求めなくていい、80点で十分だと分かると、少し気持ちが楽になりますね。

平野所長(以下、平野):そうだよ。100点を目指しても、100点は取れないんだ。メールの良し悪しは相手が決める。相手がどう受け取るかは、コントロールできない領域だからね。そこを考え込んでも無駄なんだよ。80点でコミュニケーションが成立するなら、それで十分。もっと合理的に考えよう。もちろん、メールと真剣に向き合い、相手のことを思って改善することは良いことだ。でも、強い不安があるのは問題だ。メールに限った話ではないけどね。

直井:どんな問題があるのでしょうか。

平野:例えば、時間をかけすぎてしまう。費やす時間が膨大過ぎる。「この書き方で伝わるだろうか」「相手が気分を害さないか」と心配で、メールを書いては消し、書いては消しを繰り返せば、それだけ時間はかかるよね。何度も読み直し、いつになっても送信ボタンが押せない。そんな状況に陥ってはいないだろうか。効率化したい一方で、不安感から行動が逆走している人は少なくない。

直井:間違いのないように、失敗しないようにと思うほど、時間はかかってしまいがち。質と時間のバランスって難しいですね。

平野:仕事だから両方が大切だけど、質を高めて、その後に時間を意識するのではダメなんだ。順番が逆なんだよ。時間を意識する、その枠で質を高める。そうしないと、時間はいくらあっても終わらないよ。最初に求められる質を把握する。そして、かけてもいい時間を決める。その時間内で行動できるように自分をコントロールする。それをひたすら繰り返して経験値を上げていくんだ。

直井:レベルアップしたかったら、自分が取り組むしかないってことですね。

平野:そういうこと。誰かが代わりにレベルを上げてくれるなんてことはないからね。メールも量稽古だ。

直井:書いて、書いて、書きまくります!

平野:書き直す頻度が低くなったら、それはレベルが上がった証拠だよ。自信を持っていいだろう。時間をかけすぎている人には自覚がない。自らの行為を正当化していることもあるだろう。でも、それは、相手のことを思っているようで、実は自分を守っているだけのこともあるね。

直井:所長、厳しいです。

平野:そんなことはないよ。それに、不安があると自信が持てない。それも問題だ。自信がないと、責任を回避するために曖昧な表現を多用したり、当たり障りのないようにと状況問わず謙遜した文章になったり。ただ、混同してはいけないのは、自信を持つことと過信することは違うということ。何が正しいかを学べば不安は消えるし、全て消えることはなくても軽減はできる。そうすれば、間違うことや失敗することを過剰に恐れることもなくなるだろうし、間違うことや失敗することも減ると思うよ。

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