ABMに取り組もう、あるいはABMを実践しようとする企業にとって、不可欠な機能が「デマンドセンター」である。その必要性を理解している企業は多いが、実際に費用をかけて構築するとなると、担当者は経営層や上司にその「有用性をどう説明すべきか」という問題に直面する。「本当に有望なリードを創出してくれるのか」など、頭を悩ますことも多いだろう。

 長年にわたりデマンドセンターを運用してきた企業なら、今までの実績や経験から「どれくらいの投資」をすると、リターンとして「どのくらい」のMQL(Marketing Qualified Lead:有望な見込み客)や商談を創出できるかを、ある程度は計算できる。実績があるため「デマンドセンターの運用にかかる費用=投資」を確保することは、それほど難しくないのかもしれない。

 ところが、これからデマンドセンターを構築する、もしくは構築してから日が浅く目に見える成果が出ていない企業はそうはいかない。デマンドセンターにどれくらいの費用をかけるべきか(投資すべきか)の判断や、その費用の確保が難しくなる。初めから大きな投資をして人的リソースをかけてしまうと、トータルのコストがかさんでしまう。そもそもそれほどの大きな予算を確保できないという懸念もある。

 マーケティング部門がデマンドセンターの重要性を理解していても、営業部門やIT部門、経営層などもそうとは限らない。これら「社内ステークホルダーたち」に、デマンドセンターの有用性を理解してもらう説得力が必要になる。

 では、実際にどうすべきか。結論を先に言うなら「少ない投資」で「短期間で成果」を上げるしかない。そしてデマンドセンターの有用性を周囲に認めさせるのだ。

 それには、「小さくてもよいので成果を出す」ところにフォーカスして「スモールスタートする」ことが大切だ。以下では、その具体的な手順を説明していこう。

デマンドセンターの有用性を短期間で証明する「MVP」

 デマンドセンターの価値を知らしめる、いわば価値があることを「証明」するために、筆者は「スモールスタート」での取り組みを推奨している。そしてそのためのプロジェクトを「MVP(Minimum Value Project)」と呼んでいる。MVPは多くの場合「minimum viable product」の短縮形として使われるが、筆者の言うMVPは、「最小価値証明プロジェクト」と訳せるだろう。

 これはデマンドセンターというリードを生み出す仕組みが本当に機能するのかを、社内のステークホルダーに早期に証明し、マーケティング部門による「良質のリードの創出」を目指すプロジェクトのことだ。スモールスタートにより「小さくてもよいので早めに成果を出す」取り組みにより、その有用性を知らしめることが目的である。

 MVPを実行し、成果を上げるためにはどうするか。マーケットワン・ジャパンが考えるABMフレームワークを使って説明する。

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