いずれのWebブラウザーも、様々な手法を使って高速化を競っている。なぜWebブラウザーは高速化を追求するのだろうか。最大の理由はユーザビリティーの向上だ。ユーザーがWebで情報を検索したり調べたりするとき、早くサクサク動作するWebブラウザーのほうが使いやすい。

性能の差はほとんどなかった

 ベンチマークを使って、主要な最新Webブラウザーの処理性能を実際に測ってみた。対象はEdge、IE、Chrome、Firefox、Operaの5種類。Windows 10環境下でテストしたため、Safariについては測定していない。

ベンチマークテストによるWebブラウザーのJavaScript処理性能の比較
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 測定に使ったベンチマークは、JavaScriptの処理性能をチェックするJetStreamとOctane、そして描画の性能を測るMotionMarkだ。

 JetStreamとMotionMarkはアップル、Octaneはグーグルが提供するツールだ。どちらもJavaScriptのコードを複数回実行し、処理性能をスコアとして表示する。スコアが高いほど処理性能が高いことになる。

 JavaScriptの処理性能を示すJetStreamとOctaneの測定結果を見てみよう。開発が終了したIEが特に遅いのを除けば、ほぼ同じような結果だった。この測定結果は、Webブラウザーが搭載するJavaScriptエンジンの性能を示している。それぞれのWebブラウザーは独自のエンジンを搭載している。例えばEdgeは「Chakra」、ChromeとOperaは「Chrome V8」、Firefoxは「SpiderMonkey」といったエンジンを使っている。JavaScriptの処理性能について、最新Webブラウザーの間では性能の優劣はほとんどないと言えるだろう。

 描画性能を測るMotionMarkの結果はどうだろうか。このベンチマークでは、HTML5要素のCanvasによる線の描画、CSSを使った線(ボーダー)の描画、SVGのクリッピングの表示といったレンダリングの性能を評価する。

 測定結果を見ると、Firefoxが少し低く、ほかのWebブラウザーは同程度の性能になった。

 Firefoxの最新バージョンであるバージョン57.0はとても高速になったとして、「Firefox Quantum」の異名が付けられている。実際に利用してみたところ、とても素晴らしく高速になったと感じていた。だから描画においても高い性能を発揮すると思ったが、予想外の結果となった。これは、ベンチマークでのJavaScriptが並列処理ではなく、単一のループ処理で回っているため、Firefox Quantumが売りにする並列処理による高速化が十分に機能しなかったためだと考えられる。

 また、MotionMarkではIEの性能を測定できなかった。IEは複数の機種で何度試しても途中で動かなくなってしまったからだ。この原因は、MotionMarkがHTML5/JavaScriptを主体にしたベンチマークツールであるためと考えられる。HTML5/JavaScriptへの対応が進んでいるEdgeでは動作するものの、対応が遅れているIEでは動作しないのだろう。

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