ネット動画配信大手の米Netflix。1997年8月の創業から20年余りでサービス展開地域は190カ国となり、加入者数は1億人を超えるまでに急成長を遂げている。時には米国のネットワークにおいて3割超のトラフィックを占めるほどの影響力を持ち、「FANG」(Facebook、Amazon.com、Netflix、Googleの頭文字を並べたもの)と呼ばれる巨大ネット企業の一角として名をはせる。

Netflixの加入者数やサービス展開国などを示すスライド
(出所:AWSの年次カンファレンス「re:Invent 2017」でのNetflixのセッションより)
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 NetflixはパブリッククラウドサービスのAmazon Web Services(AWS)を、2009年に大規模導入した先進ユーザーとしても知られる。2017年末時点で、利用する仮想マシンは15万台超という。

 AWSを大規模に利用しているだけではない。システムを適切な単位に分割して独立性を高めることで頻繁な機能変更を可能にする「マイクロサービスアーキテクチャー」の全面採用や、自動復旧の仕組みを整えたうえで常態的にわざと本番環境の障害を起こして耐障害性を向上させる「カオスエンジニアリング」の実践など、システム開発・運用の最先端をひた走る。

 米AWSが2017年11月末から12月初旬にわたって開催した年次イベント「re:Invent」では、Netflixだけで約20のセッションを担当した。仮想マシンの選び方やチューニング方法、ストリーミング処理によるビッグデータ分析、機械学習、コンテナといった最新技術の活用法などNetflixの先進的な取り組みを聞こうと、世界各地から大勢の聴講者が詰めかけた。

 先進的なクラウドユーザーが集まるre:Inventでも、Netflixは別格。世界最先端のユーザー企業といっても過言ではない。同社の取り組みから日本企業が学ぶことは多い。

 本特集では、re:Inventでのセッションの内容を基に、Netflixが実践する最先端の開発・運用方法に迫る。

数千のマイクロサービスで日常的にシステム改善

 開発面では前述の通り、マイクロサービスアーキテクチャーの全面採用が特徴だ。マイクロサービスアーキテクチャーは、一つのシステムを独立性の高い「マイクロサービス」に分割して構成する。

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