ここ数年、「動画元年」や「動画マーケティング元年」などのように、プロモーションやマーケティング関連の雑誌や記事で、「動画」というキーワードを目にする機会が増えました。

 10数年前の「動画」は、専門で特別な聖域でした。しかし2005年にYouTubeが登場し、撮影機材や編集ソフトが圧倒的に手軽で安価となったことで、「限られたプレーヤーだけの聖域」ではなくなりました。

 個人の趣味からBtoC企業の手の込んだCMまで、いまや動画には百花繚乱の感があります。視聴環境も整備されてきました。安価なブロードバンドが日本中に張り巡らされ、スマートフォンやタブレット、デジタルサイネージなど様々なデバイスも登場しています。さらに映像処理能力の高いチップが端末に搭載され、動画を配信して動画を視聴する環境が、時を追って整備されてきました。

 そんな中、「検証」的な要素の強かったBtoB企業でも、積極的に動画を活用する機運が市場全体に広がってきました。例えば動画を自社のWebサイトやFacebookページ、YouTubeページに掲載してしている企業が相次いでいます。こうした活動により視聴者の興味を喚起させ、詳細情報や問い合わせフォームに誘導しています。

 さらにデジタルマーケティングを推進している会社では視聴した顧客のデータを蓄積して、興味の度合いを分析しています。そして顧客のニーズに合致しているであろうコンテンツを順次送り、見込み顧客を育成しています。

 動画がBtoB企業でも、重要な「飛び道具」としての活用が広がっているのです。

BtoB企業が求める「動画力」の意味

 動画は訴求力の高いコンテンツです。短い時間でメッセージを分かりやすく伝えられます。そして、視聴者が本能的に動くものに反応することも活用します。

 デジタル広告の中で、最もインパクトがあるといわれているメディアの一つにYahoo! Japanのトップページ右側にあるブランドパネルがあります。その四角い枠の中には今や、ほとんど動画がはめ込まれて、視聴者の注意を喚起しています。

 以前、メールマーケティングを手がけるエイジア社と協力してA/Bテストをしたことがあります。このときには定期的に送っているメルマガに、PDFと動画のサービス情報を載せました。利用者の反応は、商品によって差があったものの、1.8~5倍ほど、動画のクリック率が高いというデータが取れました。

 動画は分かりやすく、理解しやすく、気軽に見られるという事前の期待によって、クリック率が高いものです。ユーザーの興味を喚起させて、→詳細情報を見ようとする、→検討を開始する、→問い合わせする、→友達にも紹介する、→購入する、→イベントなどに参加するというように、視聴した人を次の行動に移らせる力を動画は持っています。

 動画を使って何かを起こす力、これを筆者は「動画力」呼んでいます。BtoB企業が必要としているのは、美しい作品としての動画ではなく、動画を視聴した人を次の行動に移させる力です。これこそが、「動画力」そのものです。

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