2018年に企業の注目を浴びるITインフラ関連の技術・製品・サービスの「本命」として、日経BP社の表彰制度「ITインフラテクノロジーAWARD2018」は「学習済みクラウドAI」を選んだ。汎用的な機械学習モデルをクラウドサービスの事業者がAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)で提供するサービスである。

 ユーザー企業は、機械学習をさせるための基盤を構築する手間を省いて、人工知能(AI)を活用したシステムを開発できる。

モデル生成の手間を不要に

 自然言語処理の学習済みクラウドAIを例に取ると、テキストデータの意図を推定したり、応答に必要な情報をテキストから抽出したりする機能をAPI経由で利用できる。会話内容に応じた処理を実行するスマートスピーカーやAIチャットボットなどのシステムを手軽に作れる。

 ウルシステムズの漆原茂代表取締役社長は、ビジネスに生かすデータ分析に要求されるレベルが数年前と比較して一段階上がったと指摘する。「エンタープライズのユーザーにとっては、自前で基盤を構築してトライアンドエラーを繰り返す時期は過ぎ、AIを本格的に活用するフェーズに入った」(漆原氏)。このため2018年は、学習済みクラウドAIを利用する動きが盛んになるとみる。

 漆原氏の予測を裏付けるように、活用事例は増えつつある。日本マイクロソフトの相澤克弘クラウドプラットフォーム製品マーケティング部 エグゼクティブ プロダクト マネージャーは、「最も利用頻度が高い仮想マシンやデータベースなどに次ぐ規模で、学習済みクラウドAIが使われるようになった」と話す。同社のユーザーには、人材派遣大手のパソナグループや、経路検索サービスのナビタイムジャパンなどが名を連ねる。

画像、音声、動画と幅が広がる

 クラウドベンダーも学習済みクラウドAIのラインアップを拡充している。Amazon Web Service(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platformといった主要クラウドサービスでは、音声認識、自動翻訳、自然言語処理、画像認識、動画認識/動画分析といったユーザーの利用頻度が高いAIがひと通りそろった。

学習済みクラウドAIの例
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