社内SNSが役立つのは仕事の効率化だけにとどまらない。分散した拠点や、仕事柄孤立しがちな社員を結び付け、会社に一体感・親近感をもたらす効果も生み出す。社内広報ツールとして生かせるのだ。

 結婚式場運営事業やレストラン事業などを展開するエスクリは2013 年夏から利用している米セールスフォース・フォース・ドットコムの社内SNS「Salesforce Chatter」を、現場発の情報を共有する“社内広報ツール”として利用している(写真1)。「ロザンジュイア」「ラグナヴェール」「アンジェリオン オ プラザ」など様々なブランドの結婚式場で働くスタッフや、グループ会社の社員、合わせて1000人強が利用している。

写真1●エスクリで利用している社内SNS「Salesforce Chatter」の画面。新入社員の初受注に、上司や先輩が「いいね!」と評価している
(出所:エスクリ)
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 同社が運営する結婚式場は、全国に22拠点。東北地方から沖縄地方まで広く分散している。そのため、拠点同士との交流がなかなか進まないという課題があった。そこで、拠点を越えてコミュニケーションを活性化させるツールとして、社内SNSに着目。本社にいる社員も含めて、会社としての一体感を醸成するツールとみなして、Chatterを重視している。

各拠点から新入社員初受注の報告と祝福の応酬

 本社の運営担当者は、Chatterの導入に当たって、各拠点の担当者に「その場で起きた出来事を写真入りで書き込んでほしい」と依頼。するとすんなりと受け入れてくれたという。「日々起こった出来事をつづる」ことは、プライベートにおけるSNSの使い方と同じ。若手の社員が多いこともあって、抵抗感なく受け入れられた。社内SNSは、若手社員にもなじむコミュニケーションツールだといえる。

 投稿は毎日のように続いている。2016年8月から9月にかけては、「新入社員が結婚式の案件を初受注」という書き込みが、増えている。ちょうどこのころまでに新入社員向けのトレーニングが終わり、新入社員がひとり立ちする時期だからだ。ウェディング会場を探す顧客カップルを出迎えて、式場の特徴を説明したり、挙式プランを提案したりすることに初めて単独で臨む。

 新入社員の初受注獲得の書き込みは同じ拠点の先輩社員が上げる。それを見て、本社にいる所属する事業部門の統括役員や、新人研修を担当した人事部門の担当者などが、「いいね」ボタンを押したり、祝福のコメントを贈ったりしている。1つの初受注獲得の書き込みに、十数人の上司や先輩社員が書き込んでいるという。

 社内SNSがあることで、役職や部門の違いも越えた上司からも、初受注のお祝いメッセージが社内SNSから届くわけだ。拠点の先輩たちから直接かけられる祝福の言葉と合わさることで、全社で「初受注獲得」を祝う雰囲気を醸成でき、新入社員の士気向上につなげられる。社内SNSは社員のモチベーションを高めるツールとしても活用できるのだ。

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