前回解説したように、「Amazon Aurora」はクラウドの特性を生かして、性能や可用性を高めたデータベースサービスだ。では、Auroraに移行してメリットがあるシステムとはどんなものだろうか。まず考えられるのが、増え続ける大規模データを日々高速に読み込む必要があるシステムだ。

 共有分散ストレージを活用するAuroraは、集計などのテーブル全体を見る処理よりも、膨大なテーブルの中から必要なデータを取得するような処理を得意とする。しかも、あらかじめストレージを用意したり、ハードウエアの構成に悩んだりすることなく、必要なときに必要なだけサーバーやストレージを確保し、拡張できる。

 こうした特徴は、米Googleの分散データストア「Bigtable」にも共通するところが多い。だがメインのデータベースをBigtableに置き換えようとすると、新規にデータベースエンジンを学習し、一からシステムを構築し直すのと同じくらいの手間がかかってしまう。

 その点Auroraなら、既に持っている資産やノウハウを最大限に利用しながらクラウドのメリットを生かしやすい。もちろん商用データベースを採用する手もあるが、ライセンスや料金体系の変更、バージョンアップ等を考慮すると、不意のコスト増につながってしまう可能性も大きいのが現状である。

 筆者の主観だが、ある程度大規模なデータを扱うアプリケーションを新規に構築する場合、Auroraは有望な選択肢の一つになるだろう。またPostgreSQLやMySQLなどのオープンソースデータベースエンジンを採用していて、性能上の問題を抱えている場合も、Auroraを採用することで問題を解決することができる可能性がある。

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