日経コンピュータは2016年9月1日号の特集記事「答えはGEにあり」で、世界最大の重電メーカー、米ゼネラル・エレクトリック(GE)の動きを取りあげた。自社開発のIoTプラットフォーム「Predix」を擁する同社は、2020年までにソフト事業を売上高150億ドルまで伸ばし、ソフト企業の世界トップ10入りを目指す計画を打ち出す。
 この大きな戦略を決断し、ソフト事業に邁進するGEの“本気”を象徴するのが、ジェフ・イメルト会長兼CEO(最高経営責任者)だ。その講演では、まるでITベンダーのように、「デジタル」をキーワードに、ソフトウエアによる革新を語り、産業界が再び成長性を取り戻すにはデジタル化の推進しか方法はないと言い切る。
 2016年6月13日にフランス、パリ市で開かれた産業デジタル化のカンファレンス「Minds + Machines Europe」におけるイメルトCEOの基調講演を再現する。

写真1●講演する米GEのジェフ・イメルト会長兼CEO
(撮影=中田敦、フランス パリ市、2016年6月13日)
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 GEが「Minds + Machines」を始めて、今年で4年目になります。我々がデジタル化に乗り出したのは、昨今の経済成長率が低く、変動は激しく、ポピュリズムがはびこる世界情勢の中で“追い風”を待っても仕方がないと気付いたからです。未来は自らの手で切り開くしかありません。

 私はGEで働き始めて34年になりますが、デジタル化はGE史上最大の変革です。GEはデジタル化に真剣です。我々は過去5年を掛けて、企業構造と文化をデジタル化のために一新しています。

 「インダストリー4.0」や「インダストリアルインターネット」「IoT(インターネット・オブ・シングス)」など、デジタル化を意味する様々な言葉がありますが、名前は重要ではありません。唯一重要なのは「生産性」です。

 1991年から2010年まで、産業界における生産性の向上は年平均4%ペースでしたが、今はそのペースが年平均1%にまで低下しています。産業界は、生産性を加速(ブースト)する“何か”を必要としています。それがデジタル化です。皆さんはバズワードに惑わされるのではなく、次世代の生産性のことだけを考えて下さい。

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