MTGOXの破綻から2年。そのまま衰退するかに見えたビットコインなどの仮想通貨は勢いを盛り返した。ビジネスが活性化する一方で、運用面などの課題も露わになりつつある。技術を派生させた元であり、世界最大の応用サービスでもあるビットコインの現状には、ブロックチェーンの未来を読み解くヒントがありそうだ。

 2016年5月25日、仮想通貨を規制する改正資金決済法が成立した。「ルールは必要。かといって厳しすぎれば産業育成の阻害要因になる。バランスの取れた法律ができた」と、金融庁は満足げだ。今後、政省令やガイドラインを策定し、2017年春にも施行される。

 法改正によって仮想通貨が初めて法的に位置付けられた。仮想通貨の復権を象徴する動きと言える。法改正ではこのほか、取引所などの交換業者に登録制を導入、利用者保護規定を盛り込む。さらにマネーロンダリング(資金洗浄)などを防止する「犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯収法)」の対象に仮想通貨交換業者を加えた。仮想通貨事業をアウトサイダーではなく、正規のプレーヤーとして法の傘下に入れる狙いがある(図1)。

図1 仮想通貨を巡る関連法案の主な内容
2017年春にも施行を見込む
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 仮想通貨の代表格である「ビットコイン」は、合意アルゴリズムでデータの改ざんを困難にした分散台帳型の記録管理技術「ブロックチェーン」を派生させ、現時点で世界最大の応用サービスでもある。

 ブロックチェーンは今、情報システムの新しいアーキテクチャーとして脚光を浴びており、世界的な金融機関やIT大手がこぞって応用サービスの研究や実証実験に乗り出す。ビットコインは、ブロックチェーンの潜在力を占う試金石である一方で、ハッキング対応や運営の困難さなどの課題を先取りする存在と言える。その「現在」をまずは見ていこう。

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