NTTドコモの携帯メールを米Googleのメールサービス「Gmail」と互角に戦えるものにする―。その構築を任されたNTTデータのチームは、国内での利用実績が少ない分散ストレージの導入という技術リスクを負った。挑戦の軌跡を見ていこう。

 「このままでは誰も携帯メールを使わなくなる。Gmailのようなクラウドメールを自ら提供しなければならない」。NTTドコモの会議室に集まった経営幹部は、こう結論付けた。

 スマートフォン時代の到来が“確信”に変わった2011年、携帯メールの「次の姿」が同社の課題になっていた。スマートフォンのユーザーの中には携帯メールを使わず、Gmailを使う人も多い。iモードスタイルの携帯メールをもはやユーザーは求めていなかった。

 ただ、それをどうやって構築するのか。誰の頭の中にも明確な姿を描けていなかった。Gmailのような数Gバイト級のメール容量を数千万人ものユーザーに提供しなければならない。NTTドコモで新メールサービスの企画を担当していた浅野和義(サービスデザイン部 システム担当 担当課長)は「既存システムのストレージを拡張して大量のメールを蓄積するのは、コスト的に無理がある」と考えた。既存の携帯メールは確実な即時配送を重視し、高価なストレージを利用した高信頼システムだった。

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