企業で働く人材のデータを蓄積して分析すれば、現在のやる気を推定したり、将来の進路を予想したりできる。どの社員が活躍して実績を上げそうか、どの社員が現在の役職に満足しているのか、といった予測ができる。加えて、離職しそうな社員を見つけ出すこともできる(写真1)。

写真1●日本オラクルが提供する「Oracle HCM Cloud」では、タレントマネジメント機能で活躍しそうな人材をデータ分析に基づいて定量的に見極められる。離職しそうな社員も見つけられる。画面は離職しそうな社員と、そのパフォーマンスを予想した画面
(画像提供:日本オラクル)
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 このような人材戦略にITを導入する「HR(Human Resource)テック」の動きが拡大し始めている。分析するデータは、採用、労務、勤怠など、人事に関わるシステムが蓄積してきたものだ。

 HRテックが目指すのは、ITを使った高度な人材戦略の実現だ。人事担当者の経験やノウハウに頼るのではなく、データに基づいて人材を生かす。IT導入の目的は、コスト削減を意識した人事業務の自動化にとどまらない。日本オラクル 執行役員 クラウド・アプリケーション事業統括 HCMクラウド事業本部長の首藤聡一郎氏は「人材活用というゴールを設定して、ビッグデータやAI(人工知能)を活用する」と説明する。

最初の上司が与える影響は大きい

写真2●ビズリーチ取締役の竹内真氏
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 「企業に入社したばかりの社員対して、最初の指導係となった上司がどのような人物なのかが、その後の進路に大きな影響を与えることが分かった」。

 こう話すのは転職サイト「ビズリーチ」を提供するビズリーチ 取締役の竹内真氏(写真2)。同社は、2016年6月からクラウドサービス「HRMOS(ハーモス)」の採用管理の機能を提供している。勤怠、労務管理の機能は10月に、評価管理の機能を2017年3月に提供開始する予定だ。

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