日本のB2B企業では営業部門が顧客開拓の主体となっており、営業戦略にマーケティング活動をフィットさせようにも、マーケティング部門と営業部門の組織やオペレーションをうまく連携させられない例がよく見られる。部門のサイロ化による問題を解決し、ビジネスの成果を高めるためにも、デジタルデータを共有し二つの組織とオペレーションをつなげる仕組みの整備が必要である。

 そのためのキーワードとして、2016年4月に米国で開催したイベントで米オラクルは「ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)」を取り上げていた。同社が考える、マーケティング活動をデータドリブンで推進していくアプローチについて、日本オラクル 執行役員 クラウド・アプリケーション事業統括ソリューション・プロダクト本部長の原智宏氏に聞いた。

(聞き手は松本 敏明=ITproマーケティング、
記事構成は冨永 裕子=ITアナリスト)


オラクルが考えるABMの定義

日本オラクル 執行役員 クラウド・アプリケーション事業統括ソリューション・プロダクト本部長の原智宏氏
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 多くの日本企業は、デジタル化されたマーケティング手法で、マーケティング活動の一部を自動化するステージに関心を移しつつある。B2B企業の場合、担当している顧客に適した取り組みを、営業よりも前のステージで進めていくことが重要になってきた。オラクルはABMが、ターゲットになる顧客に対するマーケティング手法の柱になると考えているようだ。

 ABMには複数の定義があるが、まず「どのようにターゲット企業を選定するか」「どのように営業とマーケティングが協働するか」「どのように販売後も含めた顧客ライフサイクル全体をサポートするか」を踏まえていなくてはならないという。これらのポイントを整理し、オラクルではABMを「ターゲティング顧客を正しく選定し、選定したターゲットにアプローチしていく、主としてマーケティングと営業が協働していくための仕組み。実際の製品・サービス購買後を含む顧客ライフサイクル全体をサポートする取り組み」(原氏)と定義している。

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