B2Bビジネスの効果を高めるマーケティングアプローチとして、アカウント・ベースド・マーケティング(ABM)に期待が集まっている。信用調査会社の東京商工リサーチ(TSR)は、データに基づく客観的なアプローチを目指し、約半年前からABMに取り組み始めた。後編となる今回は、TSRマーケティング部の弓削正範部長に、ABMに取り組む企業にデータを提供するサービス企業としての取り組みを聞いた。

(聞き手は松本 敏明=ITproマーケティング、
記事構成は冨永 裕子=ITアナリスト)

前編から続く

顧客プロファイルデータを提供

東京商工リサーチ 事業本部 マーケティング部の弓削正範部長
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 TSRは、自社で採用したABMのアプローチを他のB2B企業も使えるよう、顧客プロファイルデータを分析し、ポテンシャルアカウントリストの作成を支援するサービスを提供している。TSRが保有する企業情報データは、所在地や業種といった基本情報、売上高や当期利益といった経営成績データに加え、社長の年齢や社長の出身校、社長の趣味といったキーパーソンの個人属性データまでが含まれる。こうした情報を分析対象に加えられる(図2)。

図2●TSRが提供するデータの属性
出典:東京商工リサーチ
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 「自社の得意先がどのような会社か理解している企業は意外に少ない」と弓削氏は言う。多くは大手企業や製造業だと漠然と思い込んでいる。大枠で正しくても、実際に詳細なデータを分析すると違うこともある。「ここで詳細な属性まで含めて分析すれば、これまで分からなかったことが明確になる」(弓削氏)。

 例えばあるITサービス事業者について、現場で規模的な属性は把握していたが、「業歴が長いわりに社長の年齢が40代と若い企業に強いことが、企業情報データから浮かび上がってきた」。

 さらに詳しく見ると、この会社が創業社長から2代目社長に代わったばかりで、新しい事業に前向きでIT投資に積極的という内情を把握できた。こうなれば、「営業先として有望」と推測できる。

お客様の取引先企業プロファイルを「お土産」に営業活動

 TSRは同社の営業部門がお客様に訪問する際の「お土産」として、そのお客様の取引先企業情報プロファイリングを整理して提供している。お客様にメリットを提示することで、初回訪問のアポイント率を高めるための工夫だ(前編参照)。

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