コンテンツ開発サイバードのサッカーゲーム「BFB Champions~Global Kick-Off~」(以下、BFB)が、サッカーファンの間で話題を呼んでいる。BFBは、利用者が監督となってチームを育成していくスマートフォン向けゲーム。2012年にリリースした前作は当時アプリのランキングで国内や香港で1位を獲得するなど人気を集めた。続編である本タイトルは、育成の楽しさを高めたり試合時のグラフィックを美しくしたり大幅に機能強化した点がウリだ。

 プロスポーツの世界では昨今、選手育成やファン醸成のためにデータが果たす役割の重要性が叫ばれている。ただ、スポーツを数値化することによって新しい価値を見いだそうと試みる点では、ゲームの世界が先行している。人気ゲームのクリエーターは、スポーツとデータの関係をどう見ているのか。BFBの開発を統括したゲーム事業部の阿部淳エグゼクティブプロデューサーに話を聞いた。

そもそも、サッカー育成ゲームを作ろうと考えた理由を教えて下さい。

写真●BFBの開発を統括したゲーム事業部の阿部淳エグゼクティブプロデューサー
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 私、実はサッカー少年だったんです。通っていた中学校はいわゆる強豪校。周囲の実力が高く、途中でサッカーを辞めてしまいました。しかし、かえってそれが世界のサッカーに目を向けるきっかけとなりました。FIFAワールドカップで活躍したディエゴ・マラドーナなど、世界トップクラスの選手たちが本気でプレーする様子をテレビで目の当たりにして、夢中になりました。辞めてからもっとサッカーに夢中になってしまった口です。

 趣味だったサッカーが仕事に結びついたのはちょうど5年ほど前。iPhoneに代表されるスマートフォンが着々と世の中に浸透し、ゲームの世界でも「スマホシフト」が始まったころでした。iモードサービスなどに力を入れていたサイバードも、スマホならではのゲームを本気で作ることになり、「どうせやるなら好きなことでやろう」。そう考えたんです。

2012にリリースした前作「バーコードフットボーラー」(後に「BFB 2015」に改名)は、斬新な遊び方を提案したゲームでしたね。

 おかげさまで累計350万ダウンロード以上のヒットとなり、アジアや南米、欧州など約140カ国にファンがいます。当初のコンセプトは、名称に「バーコード」とあるように、身の回りの日用品や食品パッケージにあるバーコードをスマホのカメラで読み取ると新しい選手をチームに加えられる点が特徴でした。

画像●「BFB Champions~Global Kick-Off~」のプレー画面
出所:サイバード
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 発想は、リアルな世界とシンクロさせることで、サッカーに詳しい人もそうでない人も、サッカーというスポーツの楽しさに引き込もうというものでした。一人でも多くの人をサッカースタジアムへと誘いたい。それにはどんな人の身近にもあるモノとサッカーを紐付けるべきだと考えました。その答えがバーコードだったのです。

 しかしながら2015年に、バーコードの機能を諸事情によりアプリから除外せざるを得なくなりました。そこでバーコードの機能を外し、育成に特化させたのが「BFB 2015」です。強いチームを作り上げ、地元から世界へとステップアップしていく点はそのままですから、ゲームの楽しさ自体は全く失われませんでした。

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