私は数学者で、マーケターでもあります。そして、企業内にあるマーケティング部門のデータ分析力の強化についてよく相談を受けます。具体的にいえば、データ分析者(データサイエンティスト)の採用の方法や分析のための組織作りなどの相談です。

 データ分析技術やコンピュータを使った分析環境について相談も受けます。そして、多くのマーケターが「良い分析手法や技術があれば、マーケティング活動の効果を高められると考えている」ことも感じます。

 しかし本当にそうでしょうか?マーケティング活動の効果を高めるために何をするかについての私の答えは、「データ分析の技術を高めるよりも、マーケティング現場をどうやって巻き込むかを考える方が重要である」となります。

マーケティングに関するデータ分析の教科書を読んだだろうか

 書店には、マーケティングに関するデータ分析の本が数多く並んでいます。「ビッグデータ」という言葉が使われるようになって以降、データ分析本がさらに増えたと感じています。

 この分野の本はデータ分析方法からエクセルの使い方まで内容が多岐にわたります。ではあなたは、これらの分析技術に関する本を読む前に、データ分析の“教科書”ともいえる、古くからある本を読んだでしょうか。

 私は分析技術を考える前に、組織の分析強化やマーケティング部門内のデータサイエンティストの役割を理解することが重要だと思います。その結論にたどり着くに至った代表的な書籍を3冊紹介します。

 1冊目は2008年に出版された、「分析力を武器とする企業」(トーマス・H・ダベンポート、ジェーン・G・ハリス著、村井 章子訳、日経BP社刊)です。この本は、データ分析を自身の成長に役立てている企業の事例を数多く収めています。

 扱っている事例自体は古いのですが、分析を企業の武器にする考えは今も全く色あせていません。どのような組織で分析を事業に活用しているのかという事例から多くのことを学べます。自分たちの分析の活用アイデアが広がることでしょう。

 この本から3年後の2011年には「分析力を駆使する企業 発展の五段階」(トーマス・H・ダベンポート、ジェーン・G・ハリス、ロバート・モリソン著、村井章子訳、日経BP社刊)が刊行されました。この本は、企業がデータ分析を武器に変える方法をまとめています。

 事例集だった「分析力を武器とする企業」を受けて、「分析力を駆使する企業 発展の五段階」では、企業の分析力を武器にするための実際の方法を書いています。ただし、分析手法には触れていません。

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