春に多くなるData分析の問い合わせ

 日本の会社の多くは、会計年度が4月から始まります。その会計年度の開始に合わせて、組織やグループも変わります。そして私たちコンサルタントには、5月頃から、マーケティングのData分析に関する問い合わせが多くなります。

 Data分析に関わる問い合わせが増える背景としては、B2B企業でMarketing Automation(MA)の導入・検討が進んでいること、そしてData分析がMarketingで一般的になったことが背景にあります。

 問い合わせの内容は、大まかに分けると2種類あります。「社内のData分析力を高めるためには、どのようにしたらよいか」「どのような組織でData分析を進めればよいか」という分析力強化の質問が一つめです。そして、もう一つは、「どのようなDataを集めたらよいか」「どんなDataから分析を始めたらよいか」というDataそのものへの質問です。

Data分析力の強化には、社内のカルチャー変更が重要

 まずは、Dataの分析力の強化から考えてみましょう。これに関しては、やや古い本ですが、2008年7月に出版された「分析力を武器とする企業」(トーマス・H・ダベンポート、 ジェーン・G・ハリス、日経BP社刊)が、とても参考になります。

 同書では「分析力の発展過程」というものが説明されています。ここでは、分析力の発展は以下の五つの段階で進むと解説されています。

  1. 分析力に劣る企業
  2. 分析力の活用が限定的な企業
  3. 分析力の組織的な強化に取り組む企業
  4. 分析力はあるが決定打に至らない企業
  5. 分析力を武器とする企業

 読者の中には、分析力の強化には統計の知識や分析用のシステムの強化が重要であり、上記の五つの過程はあまりにも抽象的だと思った方もいるでしょう。ところが、分析力の強化のために重要となるのは、「分析することが普通」になり、「分析が全社で取り組まれる」ことであると説明しています。

 「1.分析力に劣る企業」というのは、その言葉通り分析を積極的に実行していない企業です。しかし、このような企業でも、売り上げ報告や営業レポートなどを作成して報告に使っているでしょう。

 問題となるのは、その報告に加えて「分析」、もっとシンプルに言うと「振り返り」まではやっていないということです。多くの場合は、結果報告と(課題があるときには)解決策が議論されるだけではないでしょうか?

 分析というものは、振り返りよりも広い概念です。失敗したときにだけ失敗の要因を考えるのではなく、成功したときも成功の要因を考えることが重要です。

 報告やレポートを見たときに、失敗と成功の両方の要因をきちんと論理的に議論する。このことが、企業の分析力強化のために必要で、重要なことなのです。

 つまり、企業が分析力を強化するためには、企業内の議論を論理的にDataを使って実施し、その議論を社内の標準方法にすることから始まるのです。

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