今回からこの連載を担当することになりました、アビームコンサルティングの本間です。タイトルは、「日本を復活させるB2Bマーケティング」としました。かなり野心的なタイトルですが、さまざまな視点からB2Bのマーケティングについて一緒に考えていければと思っています。

 私自身、コンサルタントとして実に多くのB2Bの企業のマーケティング担当者にお会いしています。そして、日本のマーケティング担当者の多くが、最新のマーケティングの情報に敏感になっていることに気づかされます。

 リードナーチャリングやDMP(データマネジメントプラットフォーム)など、新しい単語を次から次へと、日本のマーケターから耳にします(図1)。本当によく情報にキャッチアップしていると感心させられます。

図1●マーケティングテクノロジーのランドスケープ(日本版)

 ところで、B2Bビジネスを手がける企業の方にマーケティングの取り組みについて聞くと、多くの場合、「営業活動はしているが、マーケティングはまだまだ」とか「組織の大きいところがするものでしょう」などという答えが返ってきます。確かに、狭義の日本のマーケティングはProduct、Price、Place & Promotionの「4P」のうちのPromotion、つまり広告に集中しており、大企業が広告を中心にマーケティング活動をしているイメージが強いのかもしれません。B2B企業が手がけている顧客理解については、営業活動に属するものでマーケティングではないと思われているのかもしれません。

 では、マーケティングの定義はどうなっているのでしょうか。全米マーケティング協会(AMA)は、「マーケティングとは、顧客に向けて価値を創造、伝達、提供し、組織および組織を取り巻くステークホルダーに有益となるよう顧客との関係性をマネジメントする組織の機能および一連のプロセスである」と定義しています。顧客が欲しいものを開発し提供し、それを継続させること。そして継続させるチームをマネージメントすることです。つまり、ほぼ全てのB2B企業が実践していることであり、規模や領域にも関係はないのです。

B2BマーケティングがB2Cの手本になる時代

 大規模の企業がマーケティングを実践し、小規模な企業にはマーケティング機能がないと考えられている背景には、B2Cにおけるマスマーケティングの存在があると思われます。B2Cの領域で企業は、戦後の高度成長期に市場拡大と市場占有率(シェアー)重視のマスマーケティングを実践しました。地域差や言語、民族の問題が少ない日本では、他の国や地域では難しいマスマーケティングを簡単に実行できていたのです。

 しかし、これからの日本は今までとは違います。地域創生つまり地域特色が萌芽し、観光立国をすれば多言語、多民族の市場が形成され、今までのマスマーケティング手法を使えなくなります。

 むしろB2B企業たちが今まで進めてきた、限られた市場でのマーケティングが主になるでしょう。B2Cのマーケティングが今までのB2Bのマーケティングを手本にする時代が、すぐそこまで来ているのです。

この先は日経 xTECH Active会員の登録が必要です

日経xTECH Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。