前回は、ユーザー・アドボカシー・マーケティングについて話しました。お客様自身がベンダーの代わりに製品について語ってくれるような流れを作り出し、お客様が最終的には他者へ自発的に推奨をして、実質的には企業と同じ「マーケティングの担い手」となります。

 一方で現在のメディア環境に目を転じると、「情報の民主化」といえるほど多くの情報があふれるよう になっており、企業が一方的に訴求するベネフィットはお客様にとって信用に値しないものと見なされるようになりました。こうした流れの中で企業のメッセージを発信し届けていくためには、オウンドメディアの活用が重要となります。

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 メッセージ発信の手段としては、ブログなどのオウンドメディアよりもソーシャル・ネットワーク(SNS)を重視するという考え方もあります。ネットワーク時代のコミュニケーションとして、どちらかを選択するというのではなく、各々の特性を鑑みて、適切に組み合わせて使い分けるべきでしょう。

 ブログ/WebとSNSの大きな違いは、ストック型のメディアとフロー型のメディアという点にあります。SNSは拡散力はありますが、タイムラインを通り過ぎると誰の目にも触れなくなる可能性が高くなります。その一方で内容が話題になれば思いがけないくらい多くのアクセスを集めることもあります。

 ブログやWebサイトの記事には、爆発力はありません。それでも、キーワードやSEO(検索エンジン最適化)を上手く仕込んでおけば、安定したアクセスを稼ぐ手段となります。

 オウンドメディアは、ユーザーに対して自社を身近に感じてもらえるようなコンテンツをPRや外部メディアの記事に頼ることなく安定的に供給し、自分たちの言葉でお客様に語りかける手段として大切です。さらに、ビジネスの話だけでなく、社会への取り組みを知ってもらう、親しみやすさを伝える、意外性を感じてもらうなど様々な試みの舞台として活かすことも考えられます。

 最近では動画コンテンツなど、お客様の注意をひくための素材も自社で簡単に制作できるようになってきました。オウンドメディアは新しいテクノロジーなどを試してみるインフラとしても活用できますが、暴走して会社のポリシーを逸脱しないようにすることも忘れてはいけないですね。

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