導入事例では文章と同じか、あるいはそれ以上に写真が重要な意味を持ちます。そこで今回は「効果の高い事例写真を簡単に撮るにはどうすればよいか」というテーマで考察しました。今回は事例の写真構図の基本形となる「フロンタル構図」について、新人事例制作者とベテラン制作者との架空対談でお届けします(Qが新人、Aがベテランです)。

Q:導入事例作りってユーザーの写真が重要ですよね。

A:重要だ。写真は「つかみ」だし。

Q:でも実は私、写真を撮るのが苦手で…。カメラに詳しくもないし、現場に行くと頭が真っ白になって、何をどう撮ってよいか分からなくなっています。

A:じゃあ、被写体の構図や立ち位置をあらかじめ決めておいて、現場ではアドリブは最小限にして撮るようにすればどうだ?

Q:それだとラクだけど、つまらなくなりそうです。もっと現場でクリエイティブな工夫をしたいじゃないですか。

A:では「保険の一枚、冒険の一枚」と分けて撮ればいい。

Q:何ですか、「保険」とか「冒険」とか。

A:まず「冒険の一枚」は、君の言葉を借りれば「クリエイティブな一枚」といってもいい。これは「ハマれば大成功、だけど外したら悲惨」となる。

 クリエイティブというほどの話でもないが、事例写真には「受付前で背景に企業ロゴを入れて撮影したい」というニーズがある。しかし受付前は、実は撮影が難しい場所だ。

 というのも、まず受付なので社内外の人通りが多い。そんな場所にインタビュー相手を立たせて撮影したいなら、よほどテキパキ進行しなくてはならない。

 ここでモタモタしていると、インタビュー相手は受付前を歩く人々からの好奇の目にさらされながら、いつまでも受付前に立ち尽くさなければならず、恥ずかしい思いをする。また受付業務の邪魔になって相手の会社にも迷惑だ。

 さらに受付前は落ち着いた雰囲気を出すために、あえて薄暗くして、照明をロゴに当てているところも多い。そんな場所ではカメラの設定を正しくしてから撮らないと、最悪の場合、ロゴだけがさんさんと輝いて、肝心の人物は薄闇の中に埋没…という写真になる。

 もちろんこの程度のことは手慣れたプロカメラマンなら何でもない。だが写真には詳しくないという君が撮るとなると、失敗する可能性は少なくない。つまりこれは「冒険の一枚」となる。

Q:じゃあ、「保険の一枚」はどういうものですか。

A:「誰がどう撮っても失敗しない撮り方」で撮る一枚のことだ。その方法はズバリ「会議室の白い壁を背景にして、真ん中に人を立たせて撮る」というものだ。

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